OsmAnd anchor.png

OsmAnd/OsmAnd+*1は,Android端末やiOS端末の地図アプリで,前もって地図データをダウンロードしておけばモバイル電波が送受信できない場所でもGPS電波が拾えれば地図を利用出来るオフライン地図アプリケーション。

特徴は,

  • 多数のオンライン地図(Mapnik, Google Maps,Microsoft Maps・・・)に対応。
    オンライン地図は端末内にキャッシュしてオフラインで地図を利用できる。
    複数の地図を重ね合わせ表示も出来る。
  • オフライン地図に対応。
    OpenStreetMapのデータを独自に変換したオフラインベクター地図データを使用している。このベクター地図はOpenStreetMapのデータから自分で作成することも出来る :)
    オフライン船舶マップ・海底マップもある。
  • 世界中のベクター地図が無料でダウンロードできる。 :)
    Locus MapのLoMapsだと有料で購入が必要だが,OsmAndでは無料でベクター地図がダウンロードできる。地図の品質もOpenStreetMapを変換しているのでLoMapsと比べても同等。しかも更新の頻度がほぼ月1回と(サブスクリプションのPro版だと1時間毎に更新?),自分で頑張って地図を作らなくてもいいのがGood :D
  • プリセット毎にMap styles(テーマファイル)で表示スタイルが変更できる。
    残念ながらPOIアイコンなんかは変更できない。
  • 各国語表示・音声出力対応。
    もちろん,日本語表示・日本語音声OK。
  • オフラインPOI,お気に入りポイント対応。WikipediaのPOIデータもある。
    WikipediaのデータからオフラインPOIデータを作成するプログラムもある。
    これは,Locus Mapの独自フォーマットDBでフォーマット情報を公開していないのとは大違い。
  • Wikivoyageトラベルガイドのデータに対応。
    WikivoyageトラベルガイドのオフラインSQLiteフォーマットのデータがダウンロードして使用できる。残念ながらWikivoyageのデータは日本語対応されていない。
  • GPSトラックの保存やインポート・エクスポート機能。
    GPSロガーとしても使用可能。時刻・標高付きGPXファイルを保存出来る。
    インポート・エクスポート機能もある。
  • 音声・ビデオメモ機能。
  • 音声ガイド付きナビゲーション。
    カーナビ,自転車,徒歩ナビ。
    経由地点を順番通りにナビ可能。危険な場所を事前登録しておけば,音声ガイダンスさせられる。
  • オンライン・オフラインでのルート検索,音声ガイド付きナビゲーション。
    オフラインのルート検索はBrouter(150km以内)にも対応。しかし250km以上のルート検索では途中に通過ポイントを入れないとルート検索出来ない。
    OsmAndには独自のルート検索もあり,公共交通機関(鉄道・バス)でのルート検索にも対応している。
  • プラグインで機能拡張できる。
    等高線や起伏データの表示プラグイン(120円の有料プラグイン。OsmAnd+では標準搭載。)や,その他いろいろなプラグインで機能を追加できる。
  • ストリートビューのような機能。
    Mapillaryと連携した写真共有・ストリートビュー画像機能がある。
  • OpenStreetMapの編集が出来る。
    OpenStreetMapを編集できるプラグインがある。
  • 家族・友人などとのオンライン位置共有・トラッキング対応。
    OsmAnd Online GPS TrackerプラグインとチャットアプリのTelegram Messengerを使用して,オンライン位置共有・トラッキングが可能。
  • Open Place Reviewsとの連携での情報共有。
  • ソースコードがGitHubで公開されている。

と,ひじょうに多機能なオフライン地図アプリ。デフォルトの地図テーマがまあまあ見やすい。

  • Locus Mapに比べるとベクター地図のレンダリングが重いからか,全体的に動作が重い。
    Version4.3になってレンダリング速度が改善された。Locus Mapと較べても遜色はない。
  • 残念ながら日本のカーナビのような住所検索は出来ない。
  • Brouterで長い距離になるオフラインルート検索をするとエラーになる。
    距離に応じていくつか中間地点を入れる必要がある。
    独自のオフラインルート検索もあるが,検索スピードがかなり遅い。
  • ANT+やBluetoothセンサーには対応していない。
    残念ながらサイクルコンピューターのようには使用できない。
  • POIのアイコンが変更できない。
  • 操作性に難がある。
    機能は多くあるが操作が複雑でよくわからないことがある。
  • ファイルのエクスポート時にオンラインストレージをサポートしていない。

などの問題がある。

OsmAndには,無料版のFreeバージョン有料版のPlusバージョン (750円:時々半額セールしている),いつからかリリースされたMaps+/OsmAnd Proっていうサブスクリプション版がある。

OsmAnd+(有料版)とOsmAnd(無料版)の違いは,

  • 無料版は,ダウンロードできるファイル数が7個まで。
    地図やPOIデータ等含む。船舶マップ・海底マップ等は使えない。
  • 無料版は,Wikipedia情報を使った機能に制限が掛かっていて使用できない。
  • 無料版は,オフラインWikivoyage(トラベルガイド)情報が使えない。
  • 無料版は,そのままでは等高線や起伏表示が出来ない。(有料プラグインが必要)

また,無料版,有料版以外に, 公開されているソースコード(GPL3) を独自にコンパイルして配布している F-Droid版 もあります。F-Droid版だと無料版の制限は無いようで,すべての機能を無料で使用できるみたいです。(試してはいない)
バージョンの更新がオフィシャルがリリースされてからだいぶ経たないと公開されないんで,自分でコンパイルすれば良いんだろうけど・・・ なので,有料版のPlusバージョンを使ってます。

毎月地図も更新されるしダウンロード無料なので,すごくリーズナブルだと思う。

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OsmAnd用ベクターマップ anchor.png

OsmAndはOpenStreetMapの.osmファイルを独自バイナリデータに変換したベクター地図を使用している。OsmAndMapCreatorを使ってこのOsmAndの独自バイナリデータの.obfファイルを作成できる。
この時元の地図データには,Locus map用ベクター地図で作成してあるosmファイルを使える。
作成には非常に時間がかかる。

日本のOsmAnd用のベクターマップを配布されている日本の方もおられて,ここからダウンロードできます。(ここ数年,更新されていない。)

また, ここのサイトここのサイト からOsmAndを使ってダウンロードするベクター地図と同じ最新のファイルを,なぜかPCなんかで無料でダウンロードして使用できます。(毎月更新)
後者のサイトでは,素晴らしいことに10m等高線マップ :) も含まれています。

ダウンロードしたベクターマップは,端末の/sdcard/osmand/filesディレクトリ等*2へコピーすれば使用できます。
日本全部をカバーするためには8個ファイルがあるんだけど,無料版では7個(7回)のダウンロード制限があるので,このようにしてベクターマップを用意すれば無料版OsmAndでも日本全体を見れると思う。

2018年10月初旬に更新されたベクター日本地図は,中部地方が県ごとの9個と関東地方が県ごとの7個に分割された。結果,日本全体をカバーするには従来の8個から22個のファイルが必要になってしまった。ファイル全部の合計サイズは従来とそんなに変わらないが,全部で2.3GBを超えてしまっている。
その後,中部地方と関東地方だが前のタイプのマージしている地図もアップされるようになった。なので,前と同様に8個で日本全体をカバー出来る。

Mapsforgeのベクター地図の方がサイズが小さいことや表示も早いんで,OsmAndでもMapsforgeのベクター地図が使えるようにならないかなぁ・・・

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文字化け anchor.png

バージョン2.6以降だと,fontにモトヤマルベリがインストールされるので,文字化けはしなくなった。また,ダウンロード・メニューから日本語フォント(NotoSans-Japanese.otf)をダウンロード出来る。

なので,以下の対策は必要なくなった。(古いバージョンを使う場合や,フォントを変更したい場合に使える。)

OsmAnd上でダウンロードした日本のベクター地図(8ファイルある)を使っていると,ところどころ文字化け(四角にX)しているところがあります。

Android端末のシステムフォント(英文fontのRoboto等)を日本語フォントに変更した上で,OsmAndの設定>全般設定>セーフモードをマークすると文字化けが治りますが,OsmAndを起動し直すとセーフモードはクリヤーされてしまいます。またセーフモードは,かなり速度が遅くなっちゃいます。

いろいろ試してみた中で,Main Storage(sdcard)/osmand/fontsディレクトリにあるOpenSans-Regular.ttf,OpenSans-Semibold.ttf,OpenSans-Italic.ttf,OpenSans-SemiboldItalic.ttf,OpenSans-Regular.ttf,Roboto-Regular.ttf,Roboto-Medium.ttfなどのフォントファイル全て,日本語TrueTypeフォントに同じ名前のファイルで置き換えたところ,セーフモードでなくても文字化けがほとんどなくなりました。(一部の文字化けは依然として治りませんが,非常に少ない・・・) fileMain Storage(sdcard)/osmand/fontsディレクトリに入れたフォント

この時,幾つかの設定を以下のようにした。

  • マップ使用言語の設定をローカルにします。(なぜか日本だとダメ!) 日本語にします。
  • 設定>全般設定>表示言語を日本語に設定(なぜかシステムで設定した言語だとダメ!)
  • 設定>全般設定>地名等の優先言語をローカル名に日本語に設定。

まあ,これで実用上は問題なさそうです。一部文字化けしているところは,OpenStreetMap を編集して直せば良いと思います。

Screenshot_20160611-113337.png

*1 OpenStreetMap Automated Navigation Directionsからの名前らしいが,OpenStreetMap Foundationが直接関係したものではないようだ。
*2 Android 11からは,Android/Data/net.osmand.plus/filesのようなプライベート空間しか使用できなくなった。

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yuji  投稿日時 2023/9/28 4:38 | 最終変更
POIの表示はMap stylesで設定されている表示(いくつかの色のPOIアイコン)と,プリセット毎でのPOI表示(オレンジ色のPOIアイコン)があります。
Map stylesで表示するように設定されているPOIの場合は,プリセットでのPOI表示・非表示とは関係なく表示されます。
なのでMap stylesでのPOIを表示したくない場合は,Map stylesを編集する(もしくは別のMap stylesを使う)必要があります。

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最終更新: 2020-12-26 (土) 15:07:38 (JST) (1211d) by yuji