ボーイング 787(ボーイング 787 ドリームライナー)
当初ボーイングはエアバス社のA380対抗で,747を大型化し航続距離延長の747Xを計画したが,747XではA380に対抗できないと考え計画を中止した。マッハで飛べるソニック・クルーザーをその後計画したが,911テロにより航空業界が冷え込んでしまったためこの計画も凍結せざるを得なくなった。
そこで速度よりも効率を重視した767クラスの双発中型機を計画することになった。ローンチ会社として全日空が50機発注したことにより(その後日本航空もローンチ会社になった),日本航空・ベトナム航空・コンチネンタル航空と大手の航空会社が発注し,開発が始まった。開発コードは7E7と呼ばれていたが,2005/01/28(シアトル時間)に正式に型番を787にした。
2007/07/08に1号機がロールアウトし,この時点での受注数は旅客機史上最高の47社677機となった。初飛行は9月ぐらいを予定しており,アメリカ航空局の認可を2008/05に取得後,最初の機体が全日空に引き渡される予定で開発が進んでいる。
787は世界の多くの企業が参加している国際共同で開発されており,70社(下請けも含めると900社に及ぶ)もの参加があり,日本でも三菱重工業・川崎重工業・富士重工業が参加している。
日本では,得意の炭素繊維複合素材を使用した機体開発を開発している。
ボディは767,A300クラスより太く,座席配列はエコノミークラスで2-4-2の8アブレストが基本となっているが,3-3-3の9アブレストでも従来の旅客機のエコノミークラスとほぼ同等の座席幅を確保でき,実際に9アブレスト仕様で発注している航空会社はかなり多い。
この太い胴体のため床下貨物室に,LD3コンテナを2個並列に搭載可能である。(床下にLD3が並列搭載できないことは,767の重大な欠点のひとつであった)
キャビンは従来より天井が20cm高くなっている。大型の窓が採用され,乗客は広い視界を楽しむことが出来るようだ。また窓にはシェードがなく,LCDシャターを使った電子カーテンを採用し,乗客自身で透過光量を調節することが可能になる。
トイレは,全日空の希望により温水付きトイレが採用されている。機体には炭素繊維複合素材を多用しているため腐食等の問題が解決されているため,加湿器の使用が初めて出来るようになるよていである。
マッハ0.80の767,マッハ0.83のA330・A340に比べ0.85巡航と高速なためこれらの機体に比べ飛行時間の短縮も可能であろう。
航続距離も東京-南アフリカもノンストップで飛べる,15000キロ以上になるはずである。
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