プリント基板デザインのガイドライン anchor.png

プリント基板をデザインする時に,留意することを上げてみました。

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デザインガイド anchor.png

プリント基板をデザインするときのガイドラインです。

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パターン(配線)仕様 anchor.png

基板のデザイン導体幅電源
幹線
支線最小
間隔
ビア
ピン間3本0.15mm1.4mm0.5mm0.15mmVIA24/26
ピン間2本0.20mm2.0mm1.0mm0.15mmVIA26/32
ピン間2本0.22mm2.0mm1.0mm0.20mmVIA40
ピン間1本0.30mm2.5mm1.4mm0.30mmVIA48

最小パターンに関して

  • P板.comの最小パターン幅
    0.127mm。
  • 0.15mmのパターン幅の場合
    銅箔厚=外装70um。
  • 最小パターン
    • 仕上がり胴体間隔の形容差
      ±0.05mm(JPCA規格)
  • 板端との距離
    信号層0.3mm以上
    電源・GND層0.5mm以上
  • NTHとの距離
    表層,内層0.15mm以上
    6・8・10層0.2mm以上
  • アンテナパターン
    銅箔厚 18um0.15mm以上
    銅箔厚 35um0.15mm以上
    銅箔厚 70um0.20mm以上
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ベタパターン anchor.png

最小線幅0.127mm以上
線間隔最小0.1mm
  • ベタパターンとパッド
    • ベタとランド,パッドの間隔
      0.5mm
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内層パターン anchor.png

内層分離線幅0.5mm以上
ベタ電源と未接続THとの間隔0.5mm以上
最小穴と内装パターン間隔0.2mm
内装ランド/サーマル内径と穴の間隔0.3mm以上
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穴仕様 anchor.png

  • ビア(via)・スルーホール(through hole)
    th.png
    ビア(via)には,貫通しているビア(through via hole)と貫通していないビア(interstitial via hole:IVH)の2種類があります。
    IVHには,ブラインド・ビア(blind via hole)とベリード・ビア(buried via hole)があります。IVHは4層以上のプリント基板で使われています。IVHの穴あけはドリルではなくレーザーで行われます。その為,0.2mm以下の穴径が一般的です。

    ビアは,主に配線を行うために使用する穴のことを指します。

    パッド名バッド径ドリル径内層逃げ径
    VIA1616mil(0.4mm)8mil(0.2mm)48mil(1.2mm)
    VIA2424mil(0.6mm)12mil(0.3mm)48mil(1.2mm)
    VIA2626mil(0.66mm)14mil(0.35mm)48mil(1.2mm)
    VIA3232mil(0.8mm)16mil(0.4mm)48mil(1.2mm)
    VIA4040mil(1.0mm)24mil(0.6mm)56mil(1.2mm)
    VIA4848mil(1.2mm)32mil(0.8mm)64mil(1.2mm)

    バッド・オン・ビア
    部品パッド上にビアを設ける事をパッド・オン・ビアと呼んでいます。通常のビアは穴が開いているので,そこにハンダが入っていって部品を置くときに接触不良を起こす場合があります。その為,樹脂やメッキで前もってビア穴を埋めておきます。
    BGAのチップを使用する場合は,とても便利です。ただ製造工程が増えるためコストが高いです。

  • 部品用スルーホール
    パッド名パッド径ドリル径内層逃げ径挿入リード線径
    TH4848mil(1.2mm)32mil(0.8mm)64mil(1.6mm)0.4mm以下
    TH5656mil(1.4mm)40mil(1.0mm)72mil(1.8mm)0.6mm以下
    TH6464mil(1.6mm)48mil(1.2mm)80mil(2.0mm)0.6mm-0.8mm
    TH8080mil(2.0mm)56mil(1.4mm)88mil(2.2mm)0.8mm-1.0mm
    TH100100mil(2.5mm)64mil(1.6mm)120mil(3.0mm)1.0mm-1.2mm
    TH120120mil(3.0mm)80mil(2.0mm)140mil(3.5mm)1.2mm-1.6mm
    TH140140mil(3.5mm)100mil(2.5mm)160mil(4.0mm)1.6mm-2.1mm
  • マウントホール
    穴名ドリル径内層逃げ径
    MH100100mil(2.5mm)180mil(4.5mm)
    MH120120mil(3.0mm)200mil(5.0mm)
    MH140140mil(3.5mm)220mil(5.5mm)
    MH160160mil(4.0mm)240mil(6.0mm)
    MH180180mil(4.5mm)260mil(6.5mm)
    MH200200mil(5.0mm)280mil(7.0mm)
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シルク文字 anchor.png

高さ間隔太さ
最小0.6mm0.8mm0.2mm0.15mm
0.8mm1.0mm0.3mm0.2mm
その次1.0mm1.2mm0.4mm0.25mm
  • P板.comのシルクの最小太さと最小高さ
    太さ0.127mm
    高さ1.0mm
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グリッド設定 anchor.png

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配置グリッド anchor.png

ターゲットマーク 100mil単位部品 (基準穴)100mil
表面実装部品 シルクの配置25mil
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配線グリッド anchor.png

ピン間1本25mil
ピン間2本20mil
ピン間3本12.5mil
基板外形線,その他1mm,1mil
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部品ライブラリ作成グリッド anchor.png

100mil単位パッド100mil
70mil単位パッド,シルク70mil,35mil
50mil単位パッド50mil
25mil単位パッド25mil
1mm単位パッド,シルク1mm,0.5mm
0.8mm単位パッド,シルク0.8mm,0.4mm
0.5mm単位パッド,シルク0.5mm,0.25mm
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その他 anchor.png

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使用ライン幅 anchor.png

使用ライン幅用途
4mil(0.1mm)外形線,禁止帯指示,その他の参考線
5mil(0.127mm)P版.com 最小パターン幅
6mil(0.15mm)ピン間3本仕様の配線幅,禁止帯指示,その他参考線
8mil(0.2mm)シルク幅,シルク文字幅,外形線(P版.com)
10mil(0.25mm)ピン間2本仕様の配線幅
14mil(0.35mm)ピン間1本仕様の配線幅 アナログ回路
50mil(0.5mm)一般
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ソルダーマスクサイズ anchor.png

0.1mm
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自動マウンター(部品実装)などへの対応 anchor.png

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ガイドピン用の穴と捨て基板 anchor.png

  • 自動マウンター(部品実装)に対応するため,捨て基板と呼んでいる未実装エリアを用意します。
  • マウンターに基板を置くため,ガイドピン穴を捨て基板上に開けます。
    基板製造業者でよく使われるガイドピン穴径は,4mmの丸穴です。また,副基準穴を長穴で4mmx5mmであける。
    基板の端から,5.0mmの位置に配置する。
    捨て基板サイズは,通常は10mmでデザインする。
    パターンφ1.0mm
    レジスト開口φ3.0mm
    ガードパターンφ3.6mm・線幅0.3mm
  • プレスガイド(加工ガイド)穴
    プリント基板の各種加工をしやすいように,プレスガイドを設けることがあります。
    基板端から5mm以上離す。
    通常は,3箇所(対角2箇所+1箇所)に設けます。
    プレスガイド:2.05mm穴(NTH),レジスト(外径:2.4mm,内径:2.2mm),パターン(外径:3mm,内径:2.5mm)
  • 実装用の認識マークは,実装機のレールに隠れないように配置する
    通常は,3箇所(対角2箇所+1箇所),両面に設けます。
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出力データに関するガイドライン anchor.png

基板製造業者とのやり取りのため,以下の種類のデータ(ファイル)とドキュメントを用意します。
どのようなドキュメントにするかは,基板製造業者と相談の上,その業者に合わせて用意するのが通常です。

  • Gerberデータ
  • ドリル・データ
  • 外形図,寸法図,ドリルのプロット図
  • プリント基板仕様書
  • データ仕様書
  • ファイルリスト
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外形図,寸法図,ドリルプロット図 anchor.png

  • 原点座標の明確化と表示
    通常,プリント基板の左下端の角部分を相対座標で(X=0,Y=0)として原点座標とします。
    寸法や認識マークを図面に入れるため,相対座標(X=-1000,Y=-1000)を絶対座標(X=0,Y=0)として,その範囲に寸法や認識マークを入れるようにします。
    認識マークは,複数の層があるプリント基板の重ね合わせを確認する場合に使用されます。
  • 基板仕様書で,座標系を指示する。
  • ドリルのプロット図も入れます。
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プリント基板仕様書 anchor.png

プリント基板を作成する場合,そのプリント基板作成概要を使用書として基板製造会社へ渡します。
主な記載すべき内容は以下の様な項目があります。

  • 基板外形サイズ及び精度
    基板のサイズをX,Yで表記。仕上がり精度を指定します。
    標準的な精度:±0.2mm
  • 基板厚
    プリント基板の厚みを記載します。
  • 基板材料の指定
    CEM-3,FR-4等で,基板材料を指定します。
    標準FR-4
    CEM-3
    高Tg FR-4
    ハロゲンフリー FR-4
    R1705
  • 表面処理仕様
    水溶性フラックス,ハンダレベラー,金フラッシュ,金メッキ,無し・・・などがあります。
    長期間保存する場合には,ハンダレベラーとします。
    注意点:
    パッド間隙が0.2mm以下ハンダレベラーは適さない
    パッドサイズがφ0.3mm未満ハンダレベラーは適さない
    板厚0.6t以下の薄板ハンダレベラーは適さない
    パッド間隙が0.1mm未満かつ銅箔厚18um超金メッキは適さない
    金フラッシュまたは水溶性フラックス
  • 基板層数と銅箔厚
    プリント基板の層数を記載します。
    片面,両面,4層,6層,8層,10層,12層
    2層外層18um
    4-12層外層18um
    内層35um
  • レジスト処理をする層の指定
    レジスト処理を行う層を支持します。
    部品面,半田面,無し
  • レジスト色
    標準色
    黒つや消し
  • シルク色
    標準色
  • Vスリット,ミシン目等のありなし
    Vスリットやミシン目などの加工は価格に大きく影響します。
    あり・無しや数の記載を行います。
    Vスリットでは位置精度,ミシンでは最小幅を記載します。
    Vスリット 位置精度:±0.2mm以内
    ミシン目 最小幅:1.5mm
  • 穴仕様
    長穴や角穴を使用・不使用を明記します。
    スルーホール(TH),ノンスルーホール(NTH)の最大ドリル径を記載します。
    また,TH,NTHでは,穴径精度も記載が必要です。
    TH穴径精度:±0.1mm以内
    NTH穴径精度:±0.08mm以内
    アスペクト比の記載をする。
    アスペクト比=最小ドリル径/板厚:5以内
  • 最小導体幅と最小ギャップ
    最小導体(トラック,パターン)幅を記載します。
    また,トラック等のギャップとして,最小ギャップを記載します。
    最小導体幅:0.2mm (外層 0.127mm以上,内層 0.15mm以上)
    最小ギャップ:0.2mm (0.127mm以上)
  • アニュアリング
    アニュアリングは,(ランド-ドリル径)/2のことです。
    アニュアリング:0.2~0.25mm
    ドリル径0.35mm
    ランド径0.66mm
  • ULマーク仕様
    ULマークを入れるかどうかの指示。
    基板製造業者によって,プロファイルNo.が決定される。
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データ仕様書 anchor.png

Gerberデータ,ドリルデータに関する仕様を記載します。
データは,統一面視での出力とする。
通常は,Gerberデータ及びドリル・データの座標系は,同じようにする。

  • Gerberデータ
    • Gerberデータのフォーマット
      RS-274DかRS-274X(Embedded Apertures)にするかの記載。
      トラブルを減らすために,RS-274Xを使用する。
    • 座標系
      絶対座標か相対座標のどちらを使用しているかどうかの指示。
      絶対座標
    • 単位の指示
      インチかミリメートルのどちらを使用しているかの指示。Gerberデータを出力するときに設定した内容にします。
      ミリメートル
    • 桁数
      Gerberデータの各オブジェクトの数字のフォーマット仕様です。Gerberデータを出力するときに設定した内容になります。
      4:3もしくは4:2
    • ゼロ省略指定
      通常のGerberデータは,先頭のゼロや末尾のゼロを省略します。どちらの省略法を使っているかの指示です。
      リーディング(先頭ゼロ省略)
    • 円データの仕様 円データをソフトウェア補完で出力するかどうかの設定です。arcsは,softwareタイプにします。
      ソフトウェア補完あり
    • G54オプション
      G54オプションは,工具等の指定に使用します。
      無し
    • 使用コード Gerberデータで使用しているコード体系を指示します。
      ASCIIかどうか,パラメータ区切りコード,EOBコード,改行コードの仕様を記載します。
      ASCii-None
  • ドリル・データ
    • ドリル・データのフォーマット
      ドリル・データのフォーマットを記載します。 エクセロン
    • 座標系
      絶対座標か相対座標のどちらを使用しているかどうかの指示。
      絶対座標
    • 単位の指示
      インチかミリメートルのどちらを使用しているかの指示。ドリル・データを出力するときに設定した内容にします。
      ミリメートル
    • 桁数
      ドリル・データのフォーマット仕様です。ドリル・データを出力するときに設定した内容になります。
      4:2
    • ゼロ省略指定
      通常のドリルデータは,末尾のゼロを省略します。
      トレーリング
    • 使用コード ドリル・データで使用しているコード体系を指示します。
      ASCIIかどうか,パラメータ区切りコード,EOBコード,改行コードの仕様を記載します。
      ASCii-None
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データ(ファイル)リスト anchor.png

ファイル等で渡す場合,どのファイルがどの層のGerverデータか,また,どのファイルがドリル・データなのかを指示するために使われます。


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最終更新: 2022-11-21 (月) 16:33:39 (JST) (515d) by yuji