出力データに関するガイドライン
基板製造業者とのやり取りのため,以下の種類のデータ(ファイル)とドキュメントを用意します。
どのようなドキュメントにするかは,基板製造業者と相談の上,その業者に合わせて用意するのが通常です。
- Gerberデータ
- ドリル・データ
- 外形図,寸法図,ドリルのプロット図
- プリント基板仕様書
- データ仕様書
- ファイルリスト
外形図,寸法図,ドリルプロット図
- 原点座標の明確化と表示
通常,プリント基板の左下端の角部分を相対座標で(X=0,Y=0)として原点座標とします。
寸法や認識マークを図面に入れるため,相対座標(X=-1000,Y=-1000)を絶対座標(X=0,Y=0)として,その範囲に寸法や認識マークを入れるようにします。
認識マークは,複数の層があるプリント基板の重ね合わせを確認する場合に使用されます。
- 基板仕様書で,座標系を指示する。
- ドリルのプロット図も入れます。
プリント基板仕様書
プリント基板を作成する場合,そのプリント基板作成概要を使用書として基板製造会社へ渡します。
主な記載すべき内容は以下の様な項目があります。
- 基板外形サイズ及び精度
基板のサイズをX,Yで表記。仕上がり精度を指定します。
標準的な精度:±0.2mm
- 基板厚
プリント基板の厚みを記載します。
- 基板材料の指定
CEM-3,FR-4等で,基板材料を指定します。
標準 | FR-4 |
CEM-3 |
高Tg FR-4 |
ハロゲンフリー FR-4 |
R1705 |
- 表面処理仕様
水溶性フラックス,ハンダレベラー,金フラッシュ,金メッキ,無し・・・などがあります。
長期間保存する場合には,ハンダレベラーとします。
注意点:
パッド間隙が0.2mm以下 | ハンダレベラーは適さない |
パッドサイズがφ0.3mm未満 | ハンダレベラーは適さない |
板厚0.6t以下の薄板 | ハンダレベラーは適さない |
パッド間隙が0.1mm未満かつ銅箔厚18um超 | 金メッキは適さない 金フラッシュまたは水溶性フラックス |
- 基板層数と銅箔厚
プリント基板の層数を記載します。
片面,両面,4層,6層,8層,10層,12層
2層 | 外層 | 18um |
4-12層 | 外層 | 18um |
内層 | 35um |
- レジスト処理をする層の指定
レジスト処理を行う層を支持します。
部品面,半田面,無し等
- レジスト色
- シルク色
- Vスリット,ミシン目等のありなし
Vスリットやミシン目などの加工は価格に大きく影響します。
あり・無しや数の記載を行います。
Vスリットでは位置精度,ミシンでは最小幅を記載します。
Vスリット 位置精度:±0.2mm以内
ミシン目 最小幅:1.5mm
- 穴仕様
長穴や角穴を使用・不使用を明記します。
スルーホール(TH),ノンスルーホール(NTH)の最大ドリル径を記載します。
また,TH,NTHでは,穴径精度も記載が必要です。
TH穴径精度:±0.1mm以内
NTH穴径精度:±0.08mm以内
アスペクト比の記載をする。
アスペクト比=最小ドリル径/板厚:5以内
- 最小導体幅と最小ギャップ
最小導体(トラック,パターン)幅を記載します。
また,トラック等のギャップとして,最小ギャップを記載します。
最小導体幅:0.2mm (外層 0.127mm以上,内層 0.15mm以上)
最小ギャップ:0.2mm (0.127mm以上)
- アニュアリング
アニュアリングは,(ランド-ドリル径)/2のことです。
アニュアリング:0.2~0.25mm
- ULマーク仕様
ULマークを入れるかどうかの指示。
基板製造業者によって,プロファイルNo.が決定される。
データ仕様書
Gerberデータ,ドリルデータに関する仕様を記載します。
データは,統一面視での出力とする。
通常は,Gerberデータ及びドリル・データの座標系は,同じようにする。
- Gerberデータ
- Gerberデータのフォーマット
RS-274DかRS-274X(Embedded Apertures)にするかの記載。
トラブルを減らすために,RS-274Xを使用する。
- 座標系
絶対座標か相対座標のどちらを使用しているかどうかの指示。
絶対座標
- 単位の指示
インチかミリメートルのどちらを使用しているかの指示。Gerberデータを出力するときに設定した内容にします。
ミリメートル
- 桁数
Gerberデータの各オブジェクトの数字のフォーマット仕様です。Gerberデータを出力するときに設定した内容になります。
4:3もしくは4:2
- ゼロ省略指定
通常のGerberデータは,先頭のゼロや末尾のゼロを省略します。どちらの省略法を使っているかの指示です。
リーディング(先頭ゼロ省略)
- 円データの仕様
円データをソフトウェア補完で出力するかどうかの設定です。arcsは,softwareタイプにします。
ソフトウェア補完あり
- G54オプション
G54オプションは,工具等の指定に使用します。
無し
- 使用コード
Gerberデータで使用しているコード体系を指示します。
ASCIIかどうか,パラメータ区切りコード,EOBコード,改行コードの仕様を記載します。
ASCii-None
- ドリル・データ
- ドリル・データのフォーマット
ドリル・データのフォーマットを記載します。
エクセロン
- 座標系
絶対座標か相対座標のどちらを使用しているかどうかの指示。
絶対座標
- 単位の指示
インチかミリメートルのどちらを使用しているかの指示。ドリル・データを出力するときに設定した内容にします。
ミリメートル
- 桁数
ドリル・データのフォーマット仕様です。ドリル・データを出力するときに設定した内容になります。
4:2
- ゼロ省略指定
通常のドリルデータは,末尾のゼロを省略します。
トレーリング
- 使用コード
ドリル・データで使用しているコード体系を指示します。
ASCIIかどうか,パラメータ区切りコード,EOBコード,改行コードの仕様を記載します。
ASCii-None
データ(ファイル)リスト
ファイル等で渡す場合,どのファイルがどの層のGerverデータか,また,どのファイルがドリル・データなのかを指示するために使われます。
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