プリント基板の初期設定 anchor.png

プリント基板のデザインの設計は部品を配置して配線を行えばいいのですが,実際に部品を配置する前にいくつかの決めておくことがあります。

  • レイヤーの設定
  • デザインルールの設定
  • 基板外形の作成
  • 回路図シンボルとフットプリントの関連付け
  • ネットリストの入力
Page Top

PCBエディターの起動 anchor.png

「PCBエディター」をクリックして起動します。

Page Top

レイヤー設定 anchor.png

PCBエディター画面で「基板の設定」をクリックします。

基板の構成を選択します。

「物理的スタックアップ」の導体レイヤーで,作成するプリント基板の層数を自由に設定できます。
趣味のプリント基板作成では,2層か4層基板になると思います。

KiCadでの主なレイヤーの種別:両面(2層)基板

レイヤ名意味
F.Silkscreen【表面】シルクスクリーン層(外形や部品番号の表示)
F.Paste【表面】ソルダペースト層(メタルマスク)
F.Mask【表面】ソルダレジスト層(絶縁保護膜)
F.Cu【表面】パターンを描く層
B.Cu【裏面】パターンを描く層
B.Mask【裏面】ソルダレジスト層(絶縁保護膜)
B.Paste【裏面】ソルダペースト層(メタルマスク)
B.Silkscreen【裏面】シルクスクリーン層(外形や部品番号の表示)
Edge.Cuts基板の外形線を描く層

KiCadでの主なレイヤーの種別:4層基板

レイヤ名意味
F.Silkscreen【表面】シルクスクリーン層(外形や部品番号の表示)
F.Paste【表面】ソルダペースト層(メタルマスク)
F.Mask【表面】ソルダレジスト層(絶縁保護膜)
F.Cu【表面】パターンを描く層
In1.Cu【内層】内層1(電源層)
In2.Cu【内層】内層2(GND)
B.Cu【裏面】パターンを描く層
B.Mask【裏面】ソルダレジスト層(絶縁保護膜)
B.Paste【裏面】ソルダペースト層(メタルマスク)
B.Silkscreen【裏面】シルクスクリーン層(外形や部品番号の表示)
Edge.Cuts基板の外形線を描く層
Page Top

基板厚の設定 anchor.png

「物理的スタックアップ」のスタックアップからの基板厚のところで,数値入力して設定します。

さまざまな板厚を設定することが出来ますが,プリント基板の製造会社によっては受けられない板厚やオプション料金が掛かる板厚もあります。

一般的なプリント基板の厚みは1.6mmが多く使われます。なので,スタックアップからの基板厚の「誘電体の厚さを調整」で1.6mmを設定します。こうすると自動的にプリント基板材料の厚みを調整してくれます。

Page Top

ハンダマスクのクリアランスの設定 anchor.png

「ハンダマスク/ペーストの設定」で以下の設定をしておきます。

  • 「ハンダマスクのクリアランス」を0.1mmに設定する。
  • 「ハンダマスクの最小ウェブ幅」を0.05mmに設定する。

これは狭ピッチの部品でピン間にレジストがうまく塗るようにします。レジストが塗られないとハンダブリッジが発生しやすくなってしまいます。

Page Top

デザインルールの設定 anchor.png

プリント基板設計では製造仕様に適合できるように,最低限の設計ルールを設定しおきます。
この設定を行うのがデザインルールです。

もしデザインルールの設定が必要になった場合は,「基板セットアップ」画面の「デザインルール」で設定することができます。

基本的にはデフォルト設定でも大丈夫と思うが,いくつか以下のように変更しました。

Page Top

最小パターン幅・間隔の設定 anchor.png

基板の設定>デザインルール>制約で,以下を変更した。

  • 最小クリアランスに0.15mmを設定します。
  • 最小配線幅に0.15mmを設定します。
  • 最小アニュラー幅に0.15mmを設定します。
  • 最小ビア径に0.6mmを設定します。
  • 導体から穴のクリアランスに0.3mmを設定します。
  • 導体から基板端クリアランスに0.5mmを設定します。
Page Top

配線とビアの設定 anchor.png

パターンを配線する時のトラック幅は,デフォルト設定で「0.25mm」になっています。
配線の内容(電源ラインなど)によっては,もう少し太いトラック幅にしたい場合があります。

その為,事前にトラック幅の種類をいくつか用意しておいた方が良いのでその設定を行います。

  • 「基板の設定」をクリック
  • 「定義済みのサイズ」を選択
  • 配線の幅の「+」をクリック
  • 例:「1mm」と入力して配線幅を追加

このようにすると,1mmのトラック幅が追加されます。

同様に,ビアもいくつか用意しておくことが出来ます。

例:配線用トラック幅

使用トラック幅用途
0.15mm(6mil)外形線,禁止帯指示,その他の参考線,ピン間3本仕様の配線幅
0.2mm(8mil)シルク幅
0.25mm(10mil)ピン間2本仕様の配線幅
0.35mm(14mil)ピン間1本仕様の配線幅
0.5mm(50mil)一般
1.0mm一般
1.5mm一般
2.0mm一般
2.5mm一般
3.0mm一般

例:ビア

パッド径ドリル径内層逃げ径
0.6mm0.3mm1.2mm(48mil)
0.66mm(26mil)0.35mm(14mil)1.2mm(48mil)
0.8(32mil)0.4mm(16mil)1.2mm(48mil)
1.0mm(40mil)0.6mm(24mil)1.2mm(48mil)
1.2mm(48mil)0.8mm(32mil)1.2mm(48mil)
Page Top

ネットクラスでの設定 anchor.png

特定のネットクラスに各種(トラック幅,ビア,・・・)のデザインルールを定義することが出来ます。

Page Top

基板外形の作成 anchor.png

基板の外形を作成します。

  • 「Edge.Cuts」レイヤーを選択
  • 線や矩形などを使って基板の外形を作成します。

また,寸法情報等も追加します。

基板の外形が作成できたら,「配置」>「ドリル/配置ファイルの原点」をクリックし,基板外形の角などに基準原点を設定します。

Page Top

回路図シンボルとフットプリントの関連付け anchor.png

部品を配置する為には,回路図のシンボルとフットプリントを関連付けておく必要があります。

全てのフットプリントを関連付ける必要がありますので,作成していないフットプリントがある場合は作成しておきます。
フットプリントの作成

  • 回路図エディタの上部メニューから「回路図シンボルへPCBフットプリントを関連付けする」をクリック
  • 使用する「フットプリントライブラリー」を選択する
  • 「フィルターされたフットプリント」の中から関連付けしたいフットプリントをダブルクリック
  • 関連付け完了(これを全ての部品に対して行います)

既存のライブラリに登録されているコンデンサや抵抗のチップ部品のサイズはインチサイズで登録されています。
例えば,よく使われる「2.0mm×1.25mm」は,インチ表示だと「0805」となります。

長さ[mm]幅[mm]JIS略称[mm]EIA略称[inch]
0.40.2040201005
0.60.306030201
1.00.510050402
1.60.816080603
2.01.2520120805
3.21.632161206
3.22.532251210
5.02.550252010
6.43.264322512
Page Top

ネットリストの読込みと部品配置 anchor.png

通常の基板設計CADの場合はネットリストの読み込みを行います。KiCadのバージョン5以降ではその作業が不要になっている。

下記の手順でネットリストの読み込みから部品の配置までを一括で行えます。

  • PCBエディタで「回路図から基板を更新」をクリック
  • エラーが出ていないことを確認
  • 「基板を更新」をクリック

部品が1か所にまとまって配置されます。


新しくコメントをつける

題名
ゲスト名
投稿本文
より詳細なコメント入力フォームへ

トップ   凍結 差分 バックアップ 複製 名前変更 リロード   ページ新規作成 全ページ一覧 単語検索 最新ページの一覧   ヘルプ   最新ページのRSS 1.0 最新ページのRSS 2.0 最新ページのRSS Atom
Counter: 191, today: 2, yesterday: 0
最終更新: 2022-11-17 (木) 10:04:47 (JST) (520d) by yuji