Audacityはオープンソースで開発されているフリーで使用できる多機能音データ編集ソフト。
以下のような特徴がある。
Windows版のインストーラーは公式サイトのDownload/Windowsからダウンロードできる。
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックしてインストールできる。
Portable版のAudacityもリリースされているので,もっぱらこちらをインストールして使用している。
ASIOはSteinbergが開発したWindows用の音データを入出力するためのAPI規格。
WindowsなどのOSでASIO APIは実装されていないので,ASIOに対応するためにはデバイス機器メーカーが提供するデバイス・ドライバーとアプリケーションの両方で対応する必要がある。
ASIOが使えるデバイスではアプリケーションからダイレクトにハードを制御することが出来るので,音質の劣化や遅延時間が少なく出来る利点がある。
WindowsでASIOのようなAPIとしては,WASAPIが用意されている。
Audacityの配布ページではAudacityがGPL v2ライセンスでリリースしている関係で,ASIOを使用しないようにビルドされたWindowsマシン用インストーラーが提供されている。
ソースコードからASIOを使用できるようにビルドすることが出来るらしく,AudacityでASIOを使用したいと思いソースコードからビルドしてみることにした。
Audacityをビルドするにはこちらのサイトで説明がある。以下のソフトウェアが必要のようだ。
これらが使える環境を用意する。
Audacityのソースコードを公式サイトからダウンロードするか,目的のバージョン(<version>で指定)をgitで取得する。
その後,ASIO対応(audacity_has_asio_support=On)にしてビルド(x64バージョンのみ)してみる。
> md sound > cd sound > git clone -b Audacity-<version> --depth 1 https://github.com/audacity/audacity/ audacity > cmake -G "Visual Studio 16 2019" -DCMAKE_CONFIGURATION_TYPES=Release -Daudacity_has_asio_support=On -DAUDACITY_BUILD_LEVEL=2 -S audacity -B audacity-asio > cd audacity-asio > msbuild audacity.sln -t:Audacity -p:configuration=Release
ビルドエラーが出ていなければOK。
audacity-asio\Releaseディレクトリに,ビルドされたファイル(64bit版)が作成されている。
普段Portable版のAudacityを使っているので64bit版のportaudio_x64.dllファイルを,ビルドされたportaudio_x64.dllに入れ替えた。(全部入れ替えてもいいと思う)
これでAudacityをASIO対応(実際に使用しているのはASIO4ALLだけど )に出来た。
新しくコメントをつける