MinGWとMSYSってなに
MinGW(Minimalist GNU for Windows)は,GNUツールチェインのWindows版で,Windows APIのヘッダー等を含んでいるので,これでWindowsで動作するアプリを開発することが出来る。C,C++のほかFortranやAdaなどもコンパイルすることが出来るみたいだ。
MinGWには2つのパッケージがあって,Windows環境に移植されたGCCと,MSYSという軽量なUNIX風シェル環境がある。
これを利用すれば,Visual Studioを持っていなくてもWindowsのアプリを開発できます。
MinGWのインストール
まずGCCやツール類をインストールする。
- SourceForge.net: MinGW download ProposedからMinGW-x.x.x.exeの最新版をダウンロードする。
- ダウンロードしたMinGW-x.x.x.exeを実行する。
- "Download as needed and install"を選択する。
- "Current"を選択する。
- パッケージの選択では,Minimalセットを選んでg++ compilerだけで,CやC++のコンパイルは出来る。makeは,別途GNU Makeをインストールしたいので,ここでは選ばない。
- インストール先を指定する。デフォルトは"C:\MinGW"。自動で,いろいろなパッケージをダウンロードしながらインストールしていく。
- 環境の設定
- システム環境変数のPathに,c:\MinGW\bin(デフォルトの場合)を最後に追加する。
- ユーザー環境変数,C_INCLUDE_PATHに「C:\MinGW\include」,CPLUS_INCLUDE_PATHに「C:\MinGW\include」,LIBRARY_PATHに「C:\MinGW\lib」を追加する。
MSYSのインストール
configureを使えるようにしたり,Unix風のShell環境を用意するMSYSをインストールする。
- MinGWと同じSourceForge.net: MinGW download ProposedからMSYS-x.x.x.exeの最新版をダウンロードする。
- ダウンロードしたMSYS-x.x.x.exeを実行する。
- "Do you wish to continue with the post install? [yn ]"は"y"
- "Do you have MinGW installed? [yn ]"は,上でインストール済なので"y"
- "Where is your MinGW installation?"には,MinGWのインストール先を指定する。このとき,下のようにディレクトリの区切りにスラッシュ(/)を使用して指定する。
- デフォルトでは,c:\msys\1.0にインストールされるみたい。
- インストールしたディレクトリに,msys.batが作られる。これを実行するとコンソールが起動する。
この時の,MSYSのシェルのホーム(~/)が実際にどこにあるかというと,
- インストール前に,環境変数HOMEがシステムで指定してあれば,インストール時にそこに設定される。
- 指定がなかったら,"[MSYSをインストールしたディレクトリ]\home\ユーザ名\"になる。デフォルトでは,"c:\msys\バージョン\home\ユーザ名\"。
- msys.batの先頭の方で,set HOME=XXXXとして環境変数を設定すると,好きなフォルダーにホームディレクトリを設定できる。
- システム環境変数のPATHに,c:\msys\1.0\bin(デフォルトの場合)を追加しておくと,通常のコマンドプロンプトからも使用できる。
DirectX用のヘッダーを入れる
MinGW(gcc)でDirectXを利用したプログラムをコンパイルするためには,ヘッダファイルとインポートライブラリが必要。インポートライブラリはMinGWにすでに含まれているみたいなんで,ヘッダーファイルをincludeフォルダーにコピーする。
http://www.libsdl.org/extras/win32/common/にあるdirectx-devel.tar.gzをダウンロードして,include以下にあるファイルをc:\MinGW\includeにコピーする。
SDLのインストール
ゲームアプリなんかで利用されるSDLライブラリをインストールする。
- ソースファイルをダウンロード
SDL1.2をhttp://www.libsdl.org/download-1.2.phpからSDL-1.2.13.tar.gzをダウンロードする。
それをコンパイルしてインストールします。(MSYS上で行う)
- SDL-1.2.13のソースコードを展開
$ tar xvfz SDL-1.2.13.tar.gz
- SDL-1.2.13のコンパイル
$ cd SDL-1.2.13
$ sh configure --prefix=/mingw
$ make
- SDL-1.2.13のインストール
これで,SDLライブラリのインストールが終了。
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