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現: 2024-07-01 (月) 15:01:36 yuji |
| + | * Microsoft Store版WSL [#ibc930b3] |
| + | WSLのMicrosoft Store版が2022/11に正式に公開された。~ |
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| + | WSLは元々Windows 10((Windows11にもWSLコマンドはデフォルトで含まれている。コンポーネント自体はインストールされてはいない。))のオプションコンポーネントとして含まれていた。つまりWSLの更新は,Windowsの更新により行われていた。~ |
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| + | Windows OSのオプションコンポーネントから切り離されMicrosoft Storeのパッケージになったことで,Windows OSとは別に機能更新・変更などが可能になった。 |
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| + | Microsoft StoreからWSLがインストールや更新が出来るようになったのだが,今まで通りのオプションコンポーネントとしてインストールも可能らしい。~ |
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| + | ** Store版WSLの新機能 [#d7b68829] |
| + | - WSL更新時に再起動が不要になった。~ |
| + | - systemdが使えるようになった。~ |
| + | - GUIが使えるようになった。~ |
| + | - VHDファイルのマウント機能。~ |
| + | - マウントポイント名のサポート。~ |
| + | - バージョン情報の確認機能。~ |
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| + | ** Store版WSLに更新する [#kab6f46b] |
| + | コンポーネント版WSLをインストールして使用していたのだが,これをMicrosoft Store版WSLに更新してみた。~ |
| + | Store版WSLは最初からWSL1・WSL2に対応しているようだ。~ |
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| + | 更新後でも,それまで使っていたWSL1でのUbuntu 18.04 LTSの動作は問題なかった。~ |
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| + | *** 現在使っているWSLのバージョンを確認する [#pbdc76c5] |
| + | 現在インストールしているWSLのバージョンを確認する。~ |
| + | > wsl --version |
| + | コマンド ライン オプションが無効です: --version |
| + | Copyright (c) Microsoft Corporation. All rights reserved. |
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| + | 使用法: wsl.exe [Argument] [Options...] [CommandLine] |
| + | : |
| + | : |
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| + | このように表示される場合は,従来のコンポーネント版WSLがインストールされている。~ |
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| + | *** Store版WSLに更新 [#xd2ce280] |
| + | 従来のコンポーネント版WSLをStore版WSLに更新するには,管理者権限でコマンドプロンプトを起動し,以下のようにする。~ |
| + | > wsl --update |
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| + | 数分でStore版WSLへの更新が完了した。バージョンを確認してみると,以下のように表示された。~ |
| + | > wsl --version |
| + | WSL バージョン: 2.2.4.0 |
| + | カーネル バージョン: 5.15.153.1-2 |
| + | WSLg バージョン: 1.0.61 |
| + | MSRDC バージョン: 1.2.5326 |
| + | Direct3D バージョン: 1.611.1-81528511 |
| + | DXCore バージョン: 10.0.26091.1-240325-1447.ge-release |
| + | Windows バージョン:WSL 10.0.19045.4529 |
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| + | いままで使用していたLinux OSは,そのまま利用出来た。WSLのバージョンも1がそのまま使われている。~ |
| + | > wsl --list --verbose |
| + | NAME STATE VERSION |
| + | * Ubuntu-18.04 Stopped 1 |
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| + | 今後,WSLを更新したい場合はコマンドからでも更新できる。~ |
| + | > wsl --update |
| + | もちろんStore版なんで,Microsoft Storeからでも更新出来る。~ |
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| + | ** 新規にStore版WSLをインストーする [#kdbebdea] |
| + | これまでWSL/WSL2をインストールしていなくて新規にStore版WSLをインストールする場合は,以下のようにする。~ |
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| + | *** Microsoft Storeからインストールする場合 [#la589081] |
| + | [[Microsoft Store:https://aka.ms/wslstorepage]]を開いて''Windows Subsystem for Linux''を検索する。~ |
| + | 見つかったら入手ボタンをクリックすればインストール出来る。~ |
| + | |
| + | 次にLinuxディストリビューションをインストールする。~ |
| + | Ubuntuの場合,''Ubuntu''と検索して希望のものを入手ボタンをクリックしてインストール出来る。~ |
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| + | インストールしたUbuntuを初めて起動する場合,ユーザとパスワードを入力しアカウントを作成する。~ |
| + | また,以下のようなメッセージが表示される場合がある。~ |
| + | このアプリケーションには、Linux 用Windowsサブシステムオプションコンポーネントが必要です。 |
| + | 変更を有効にするには、システムの再起動が必要な場合があります。 |
| + | この場合,コントロールパネル>プログラムの機能を開き,''Windowsの機能の有効化または無効化''の''Linux用Windowsサブシステム''をマークして有効にしてPCを再起動する。~ |
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| + | *** コマンドプロンプトからインストールする場合 [#h333bfb9] |
| + | コマンドプロンプトかPowerShellを管理者として起動する。~ |
| + | インストールするLinuxディストリビューションを-dオプションで指定することが出来る。指定しない場合はUbuntuが勝手にインストールされるようだ。~ |
| + | > wsl --install --enable-wsl1 -d <Linuxディストリビューション名> |
| + | |
| + | OSをインストールしない場合は, |
| + | > wsl --install --enable-wsl1 --no-distribution |
| + | とする。~ |
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| + | これでStore版WSLを新規にインストールできるようだ。インストール後はPCを再起動する。~ |
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| + | ちなみにStore版でないコンポーネント版WSLをインストールしたい場合は,--inboxオプションを使って, |
| + | > wsl --install --enable-wsl1 --inbox -d <Linuxディストリビューション名> |
| + | とすればインストールできる。 |
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| + | *** Windows11でWSLを新規インストールした場合 [#f67ed7c2] |
| + | Windows11で上記のようにしてWSLを新規にインストールした場合,以下のWindowsの機能が自動的に追加される。~ |
| + | - ''Linux 用 Windows サブシステム''~ |
| + | WSL1を動作させる(エミュレーション)ためのコンポーネント。~ |
| + | - ''仮想マシン プラットフォーム''~ |
| + | Hyper-Vアーキテクチャとそれを利用したHyper-Vコンテナー環境を利用するためのコンポーネント。~ |
| + | WSL2を動作するために必要なコンポーネント。~ |
| + | ''VMware Workstation PlayerやOracle VirtualBox''などの他の仮想化マシンと共存も出来るようになる。 |
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| + | またWSLのバージョンは, |
| + | > wsl --list --verbose |
| + | NAME STATE VERSION |
| + | * Ubuntu-22.04 Stopped 2 |
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| + | > wsl --status |
| + | 既定のディストリビューション: Ubuntu-22.04 |
| + | 既定のバージョン: 2 |
| + | で新規にStore版のWSLをインストールすると,使われるのはWSL2になっている。~ |
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| + | ''WSL1で使いたいので,以下のようにしてWSL1に変更してみた。''~ |
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| + | WSL2を使用しないのであれば,以下のWindowsの機能をマークを外してアンインストール出来る。~ |
| + | - 仮想マシン プラットフォーム~ |
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| + | WSL2はHyper-Vのコア機能であるHyper-Vアーキテクチャと,それを利用したHyper-Vコンテナーの上に実現されている。~ |
| + | ''仮想マシン プラットフォーム''はこの環境を利用するためのコンポーネント。~ |
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| + | WSL1はLinuxカーネルコールをWindowsシステムコールに変換するエミュレーションなので,''仮想マシン プラットフォーム''は必要ない。~ |
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| + | コマンドプロンプトを管理者権限で起動し, |
| + | > wsl --set-default-version 1 |
| + | 既定のディストリビューション: Ubuntu-22.04 |
| + | 既定のバージョン: 1 |
| + | |
| + | > wsl --set-version Ubuntu-22.04 1 |
| + | 変換中です。これには数分かかる場合があります。 |
| + | この操作を正しく終了しました。 |
| + | |
| + | として,WSL1に変更できた。 |