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ロッキード・マーティン F-35 ライトニングII

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ロッキード・マーティンが中心となって開発中の単発単座の多用途性を備えたステルス戦闘機。
開発計画時のJoint Strike Fighterの略称JSFで呼ばれる。ボーイングX-32と実験機で争い結果,X-35(実験機)が選択され唯一実験機から実用機になった機体でもある。
量産型F-35は2006年に初飛行しているが,軍には未だ納入していない。計画では2011年からの配備になっていが,現在も開発中である。

JSFの名の通り(F-16,A10,F/A-18,AV-8B,Hawker Siddeley Harrier,CF-18などを含む多種類な戦術航空機を代替する新型機),ほとんど同一の機体で,基本型の通常離着陸(CTOL)機であるF-35A,短距離離陸・垂直着陸(STOVL)機のF-35B,艦載機(CV)型のF-35Cという,多用途(MultiRole)性と多種任務(Multi Mission)をこなせる性能を要求された野心的なプロジェクト。

F-111も似たようなコンセプトで開発されたが,機能を増やしたことで機体が重くなり計画された性能を発揮出来なかった失敗があり,どう対応するかが注目される。ただ採用希望国(アメリカ空軍・海軍・海兵隊,イギリス空軍・海軍,日本航空自衛隊)も多く,日本も次期主力戦闘機(FX)に採用が決まった。おそらく5000機以上製造されるだろう。日本では42機配備予定で,1.6兆円の予算だそうだ。

開発の遅延や大幅なコスト高の影響で,既に開発費は3850億ドル(31兆円以上)もかかっている。

F-35は,これまでの戦闘機とは違い,各種センサーからの情報をコックピット前面の大型の液晶ディスプレーに統合化され表示する。
液晶ディスプレーにはタッチパネルが着けられていて,画像の切り替えや拡大・縮小,使用する武器の選択なども指先で操作することが可能になっている。タッチパネルは,極めて高感度でグローブをはめたままでも確実に反応するらしい。

正面方向に情報を投影するヘッドアップディスプレーは装備しないで,パイロットのヘルメットのバイザーの内側に画像を表示する仕組みがあり,パイロットが前を向いていなくても,必要な情報が得られるようになっている。パイロット一人で,操縦・火器管制をこなす必要があるため,出来るだけコックピット内での作業量を減らす工夫しているようだ。

操縦は,シートの右側にあるジョイスティック型の操縦桿と,左側にあるスロットルレバーで行う。足下にあるペダルは,基本的には地上滑走時にしか使わない。操縦桿やスロットルレバーのグリップには,多くのスイッチ類が取り付けられており,パイロットは手首から先を動かすだけで機体の姿勢や進行方向の変更,スピードの調節,武器の使用いった一連の操作ができ,大きなGが発生する高機動飛行中でも,操作ができるように配慮されている。


F-35のデータ

型式F-35A(X-35A)F-35B(X-35B)F-35C(X-35C)
所属米空軍米海兵隊・英空/海軍(*A)米海軍
タイプCTOL(通常離着陸型)STOVL(短距離離陸・垂直離着陸型)*1CV(艦上発着型)
全長15.41m15.50m
全幅10.97m13.12/9.10*2
全高4.6m
主翼面積42.74m257.6m2
空虚重量12426kg13924kg13888kg
最大戦闘離陸重量22680kg27216kg
ペイロード5850kg7650kg
エンジン*3P&W F119-PW-611C/P&W F135-100P&W F119-PW-611S Rolls-Royce lift fan/P&W F135-600P&W F119-PW-611C/P&W F135-400
エンジン推力18144kgf18144kgf 8200kg(lift fan)18114kgf
燃料容量6750kg7200kg
最大速度M1.7M1.6M1.7
戦闘行動半径1200km以上1000km1112km
最大上昇限度19240m
配備予定機数1763機609機(USMC)90機(UKRAF)60機(UKRN)*4480機
調達価格*5119億125億128億
乗員1名
製造Lockheed MartinLockheed MartinLockheed Martine
武装M61・A2 20mmバルカン機関砲 x1 400発
27mm単銃身機関砲 x1
以上A型のみで上記の何れか一つが装備される
 
AIM-9M/Xサイドワインダー2000(短距離空対空ミサイル)x2
AIM-120 AMRAAM(中距離空対空ミサイル)x2
A/B/C型共に空対空ミサイル最大携行数は2発
 
1000lb級爆弾(通常・JDAM)x2(A/B/C型)
2000lb級爆弾(通常・JDAM)x2(B/C型)
A/B/C型共に爆弾最大携行数は2発
 
最大武器搭載数は,空対空ミサイル2発と爆弾2発が可能

*1 米空軍は,2004/03にB型(STOVL)の採用を決定
*2 艦載機の艦内収納時、翼端折りたたみ状態のウィングスパン
*3 エンジンはプロトタイプはF119系,量産型はF135を使用。C型は全て推力偏向型ノズル装備
*4 米空軍はA-10攻撃機(360機保有)の後継に採用。導入する機数は,現在は未定
*5 USドル/85円換算

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最終更新: 2020-12-26 (土) 16:07:33 (JST) (1217d) by yuji