OBDの変遷
OBD-IIで驚いたのが,単に排ガス関連・トラブル情報だけではなく,
- リアルタイム,データモニタリング
- リアルタイム,故障診断
- リアルタイム,故障診断消去
- メモリー関連作業
- データロギング
- アクティブテスト
- エミッション調整
- マップトレース
などの機能があるみたいで,どうもSUBARUの車はここからECUのFlashROMの書き換えが出来るらしい。(まあOBD-IIではこの機能が求められている) つまり従来のECU丸ごと交換したり,ROMを交換したりとかしてきたのを,単にこのコネクターから直接変更出来ると言うことで,これは,リミッター解除とか,燃調マップとか,もしかしたら電子スロットルのプログラムとか,書き換える事が出来るって事です
1980年 On Board Diagnosis機能が現れる
ECU制御されているインジェクションなどのモニタリングなどに,On Board Diagnosis機能を入れ始める。
1982年 GMがOBDの原型を社内で使用する
GMが,Assembly Line Communications Link(ALCL)と呼ぶシステムを導入する。その後Assembly Line Diagnostics Link(ALDL)に変更された。
1986年 アメリカ カリフォルニア州がOBD-Iを導入
カリフォルニア州で販売される車はOBD-Iが必須となる。
- 車両には自己管理できる電子システムを装着する
- 排ガス関連の故障は,ダッシュボードに装着されたフォルト・ランプに表示
- 故障はコントロールユニットのフォルトメモリーに記録され,オンボード診断装置を使って読み取りが可能。
簡単に言うと,汚い排ガスを出しちゃダメ。汚い排ガスを出ないように作っていてもセンサー類が壊れればダメだから,常にそれらをECUでチェックしランプ等で知らせろるようにしろと言うことですね。
まだ,コネクターや装着位置は規定されていない。同様に,データプロトコルも規定されていない。
1988年 アメリカ SAEがコネクタとプロトコルを規定する
SAEが標準のコネクタと信号規格を規定した。
1991年 ヨーロッパのメーカーは,ISO9141-2を作った。
アメリカのCARB(カリフォルニア環境省?)がリリースしたOBD-IIをベースにヨーロッパ規格 ISO9141-2を作った。これで,OBD-IIに適合したコントロールユニットは,SAE(米国自動車技術者協会),ISO(国際標準化機構)の両規格に適合する。
1994年 CARB(カリフォルニア環境省?)がOBD-IIを必須とする
1994年からカリフォルニア州で販売される車は,OBD-IIが必須となる。
- トラブル時のフォルト・ランプ
- 不具合だけでなく,排気量に関連する機能またはコンポーネントの監視機能
- 故障のほかに,運転状態をフリーズフレームに保存する機能
- フォルトメモリーに保存された内容を点滅コードの代わりに,診断テスト装置(スキャンツール)を使って読み出し可能
このOBD-IIでは,センサー類の故障または不作動などのECUのプログラムが適してない時はそれに適合させなければいけない。ということになっていて,つまりはECUのプログラムを書き換えできるようにしろって言っているわけだね。
1996年 アメリカ全土でOBD-IIが必須となる
アメリカ全土で販売するすべての車は,OBD-IIが必須になった。
2001年 EUがEOBDを義務化
2001年 EUでOBD-IIの変形のEOBDをヨーロッパで販売されるすべてのガソリン車に義務化された。
2004年 J2534プロトコルが策定される
2004年以降に販売される新車で,OBDとリプログラミング出来る場合は,J2534プロトコルを使用するように決められた。J2534は,車と診断機器との通信する際に使用するプロトコルAPIを標準化したもの。J2534のドキュメントは,SAEのホームページから購入できる。J2534を実装するためのロイヤリティは発生しないようだ。
2008年 アメリカ全土でISO15765-4が必須となる
2008年から,アメリカで販売される車は,ISO15765-4(CAN Bus仕様)が必須となる。
日本の車の対応
日本のHONDA・MITSUBISHI・MAZDA・SUBARUは,OBD-IIを採用しているようだ。トヨタ・日産なんかは独自のコネクタみたい。ただ,アメリカやヨーロッパで売るには,対応していなければいけない。
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