LOOX U/B50にQ4OSをインストール anchor.png

LOOX U/B50にはWindows Vistaがインストールされているがあまりに動作が重い。軽量Linuxなら改善出来るかもと思い,Q4OSをインストールしてみた。

LOOX U/B50でQ4OSの動作はいい感じである。メモリ使用容量は起動時で200MB前後しか使用されていない :)

使用する時のストレスがかなり少なくなって,現在でも常用出来る。

Q4OSのTrinity Desktopって,なんとなくWindows XPに似ている・・・

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Q4OS anchor.png

Q4OSはドイツで開発されているDebian GNU/LinuxをベースにしたLinuxディストリビューションで,できるだけ軽量化して安定的に動作するように開発されているようだ。

デスクトップ環境には高機能なKDE Plasma DeskTopと軽量で効率的なTrinity Desktopが用意されている。

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Q4OS 3 Centaurus anchor.png

Q4OS 3 Centaurus*1は,Debian GNU/Linux(Buster10.8)をベースにしている。
オプションで軽量で効率的なTrinity Desktop(14.0.7)が選択できる。

サイトでアナウンスされている最小システム要件は,以下のようになっている。

KDE Plasma DesktopTrinity Desktop
CPU1GHz300MHz
Memory1GB128MB
Storage5GB3GB

Trinity DesktopであればLOOX U/B50でも十分動作しそうなので,Q4OS 3.14 TDE (Trinity) 32bitをインストールしてみた。

追加:
現在はQ4OS 5 Aquariusがリリースされている。その最新バージョンの5.4 Aquariusに更新したら,3.14 Centaurusのインストール後の問題点は発生しなくなった。ただメモリ使用容量は起動時で460MB前後と増えている。
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Q4OS 3 TDEのインストール anchor.png

Q4OS 3 TDEをインストールするのに公式サイトのQ4OSのDownloadsから,Q4OS Centaurus,Trinity, install-cd - 32bit / i386をダウンロードした。

ダウンロードしたq4os-3.14-i386-instcd.r4.iso*2を,USB PenDrive等やDVDなどに書き込む*3
LOOX U/B50のBIOS設定で書き込んだメディアからブート出来るようにしてブートさせる。

ブート後Q4OSのインストール方法の選択画面が表示されるので,画面に従ってインストールを進めて行く。

  • Q4OS - Classic Installを選択する。
  • 言語でJapaneseを選択する。
  • ロケーションで日本を選択する。
  • キーボードで日本語を選択する。
  • ユーザーアカウントを作成する。
    ユーザーのフルネーム,ユーザー名,パスワードを設定する。
  • インストール先のストレージのパーテーション設定を行う。
    今回はU/B50のストレージを初期化してインストールするので,「ガイド - ディスク全体を使う」を選択した。
    「はい」でインストールが開始される。
  • ベースシステムがインストールされる。
  • OSを構成するファイルがインストールされる。
    U/B50ではかなり時間がかかる。
  • インストールメディアを抜いて,続けるを押す。

この後,自動的にリブートされてストレージにインストールされたQ4OSが起動する。
ログイン画面が表示される。

  • 作成したアカウントでログインする。
  • 画面のスケーリング設定を行う。
    Q4OSではLCDの解像度を検出して,システムの解像度を自動的に調整してくれる。
    もしU/B50で文字が小さく見にくい場合は,ここで手動でシステム解像度を設定できる。
  • ネットワークの接続の設定をする。
    無線LANを使ってネットワークに接続するようにした。
    ここでネットワーク接続が出来ないと,以降のインストール作業がうまく行かなくなるので注意する。
  • デフォルト言語がJapaneseで良いか聞かれる。Yesを押す。
    日本語の言語パック等がインストールされる。
  • ようこそ画面(Welcome screen)が表示される。
    オプションで追加インストールする項目を選んで,個別にインストール出来る。
    • デスクトップ・プロファイラー(Desk Profiler)をクリック。
      好みではあるがBasic Q4OS Desktopを選択してインストールした。
      Desktop環境と一般的なユーティリティーやシステムツール,ライブラリがインストールされるようだ。
    • Install Proprietary Codecsをクリック。
      メディア再生時に使用できるCodecやライブラリ等がインストールできるようだ。
    • Install Aplicatiosで好みのソフトウェアを追加インストールした。
      LibreOffice,Firefox,VLC,Thuderbird,Network Manager, Blueman, GPartedなどをインストールした。
  • 日本語入力が出来るようにする。
    トレイにあるキーボードアイコンを右クリックして設定を選択する。
    「キーボード - 日本語」を追加して,一番上に移動した。
    「Mozc」を2番目移動した。
    「キーボード - 英語」は,-で削除した。

ターミナルエミュレータ(Konsole)を起動し,vimをインストールした。

# apt update
# apt install vim

このようにしてQ4OS 3.14 TDEのインストールができた。

Ubuntu系のLinuxディストリビューションをU/B50にインストールする場合,ログイン画面が表示しないなどの問題がでることがあるが,Q4OS 3.14 TDEではこのようなことは発生しなかった。

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インストール後の問題点 anchor.png

ログイン画面が表示されない問題は起きていないが,インストールしたQ4OSの動作にいくつか問題がある。

追記:
最新バージョンのQ4OS 5.4 Aquariusをインストールした場合は,以降の3.14 Centaurusインストール時の問題は発生していない。
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一部のキーボード入力が出来ない anchor.png

LOOX U/B50のキーボードで\|などの一部のキーが入力出来なかった。
これは上記のインストール時に,キーボード設定が日本語としか指定出来なかったからと思われる。

キーボード設定をOADG 109Aに設定すれば,キー入力が出来るようになる。

システムトレイにある設定ツールで,キー配列をOADG 109Aに設定しても再ログインするとなぜかそれが反映されない。
しょうがないので,/etc/rc.local~/.bashrcに以下を追加した。

setxkbmap -model PC105 -layout jp -variant OADG109A

これで問題なくキーが入力出来るようになった。

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Konsoleで日本語入力が出来ない anchor.png

日本語変換のMozcはインストールされているのに,Konsole(ターミナルエミュレータ)で日本語入力モードに切り替えが出来ない。他のいくつかのアプリ(KWriteとか)でも日本語入力出来ない。

試しにLXTerminalを以下のようにしてインストールして使ってみると,問題なく日本語入力出来る。

# apt install lxterminal

どうもQ4OS 3.14 TDEでインストールされるKonsoleやKWriteでは日本語入力出来ないようだ。

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音が出ない anchor.png

内蔵のスピーカーから音が出ない。

Q4OSに限らずLOOX U/B50でLinuxを使う場合に,かなりこの問題が発生するようだ。

以下のような対策で,なんとか音が出るようにはなった。

/etc/modprobe.d/snd-hda-intel.confを,以下の内容で新規作成する。

options snd-hda-intel enable_msi=0
options snd-hda-intel model=lifebook

/etc/Pulse/default.paファイルを編集する。

load-module module-udev-detect
 ↓
load-module module-udev-detect tsched=0

この後再起動する。再起動の何回かに一回ぐらいは,これだけでも音が出るようになった。
この状態でpulseaudioを停止&再起動すると,確実に音が出るようになる。

$ pulseaudio -k
$ pulseaudio -D

そこで,.bashrcに,

pulseaudio -k && pulseaudio -D

を追加して,bashが起動したときにpulseaudioを自動で再起動するようにしておく。

また,pulsestart.shファイルを以下の内容でHOMEディレクトリに新規に作成する。

pulseaudio -k && pulseaudio -D

Menu>Applications>設定>start menu>Startupに,pulsestart.shを設定して,Trinity(X Window)が起動したら,pulseaudioを自動で再起動するように設定した。

これで毎回の再起動後でも音が出るようにはなった。まれに,システム起動時などの音が鳴らない時がある。
その場合は,Kメニュー>コントロールセンター>サウンド>サウンドシステムで,「サウンドをテスト」をクリックするとサウンドシステムを起動してシステム音が鳴るようになる。

これって,Trinity起動時にpulseaudioが再起動していないからかな?

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サスペンドやハイバネーション後に復帰できない anchor.png

サスペンドやハイバネーション後に再起動した場合,正常に復帰して画面が表示されない。
この時は,左上にカーソルが点滅表示されたままになってしまう。

既にインストール済みとは思うが,以下のツールをインストールしてみた。

# apt install pm-utils

手動でサスペンドできるかテストしてみる。

# pm-suspend --quirk-vbemode-restore

現在のVESAモードを保存・復元するオプションを使用している。
これでサスペンドモードになって復帰できれば機能的には問題ないように思える。LCD蓋を締めてしばらくして再度開いたら無事にサスペンドから復帰出来た。

またTrinityのメニューからサスペンドした場合も問題なく復帰出来た。

なので,/etc/pm/config.d/gma500ファイルに,以下の内容を追加した。

ADD_PARAMETERS='--quirk-vbemode-restore'

ただこの状態でLCD蓋を閉めてサスペンドやハイバネーションを行う場合,なぜかうまく復帰してくれない。

  • 以下はうまく機能してくれない時の対策。
    上記でうまく動いてくれない場合は,サスペンド前にLCDディスプレイをOffにし,レジューム後に1280x800に戻すようにするとうまく動く場合がある。
    なので,これを自動化するために/etc/pm/sleep.d/01_survive_modeswitchファイルを,以下の内容で作成した。
    #!/bin/sh
    #
    export DISPLAY=:0
    export XAUTHORITY=/home/yuji/.Xauthority
    case "$1" in
        hibernate|suspend)
            xrandr --output LVDS-1 --off
            ;;
        thaw|resume)
            xrandr --output LVDS-1 --off
            xrandr --output LVDS-1 --mode 1280x800
            #echo `cat /sys/class/backlight/acpi_video0/brightness` > /sys/class/backlight/acpi_video0_brightness
            ;;
        *)
            exit $NA
            ;;
    esac

ファイルに実行権を付ける。

# chmod a+x /etc/pm/sleep.d/01_survive_modeswitch

でも,残念ながらこれではうまく動作しなかった ;(

ということで,サスペンドやハイバネーションをうまく動作させる対策は,まだ見つかっていない。
蓋をクローズした場合はシャットダウンするように設定してとりあえず我慢していた。

ひょんなことからTDEPowersaveでパフォーマンスと省電力のプロファイル設定で,画面を暗くしたり・OFFしたり・画面ロックしたりするのをしない設定にしたところ,LCDの蓋を閉じてサスペンドやハイバネーションに移行した後,蓋を開いてレジュームした場合でも問題なく画面が表示された。 :)

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その他の設定 anchor.png

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マルチスクリーンに対応 anchor.png

U/B50にインストールしたQ4OS 3.14は,X Windowにgma500_gfxドライバー(fbdevではないみたい)を使用している。
/usr/share/X11/xorg.conf.d/00-modesetting.confファイルを作成する。

Section "Device"
    Identifier  "gma500_gfx"
    Driver      "modesetting"
    Option      "SWCursor"       "ON"
EndSection

必要であればxrandrコマンドでマルチスクリーンを設定する。

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DefaultDepthを16bitにする anchor.png

必要なら,16bit Depthにする。
/usr/share/X11/xorg.conf.d/10-monitor.confファイル。

    Section "Monitor"
        Identifier             "Internal LCD"
    EndSection

    Section "Device"
        Identifier             "gma500_gfx"
        Driver                 "modesetting"
        Option                 "SWCursor" "on"
    EndSection

    Section "Screen"
        Identifier             "Screen0"
        Device                 "gma500_gfx"
        Monitor                "Internal LCD"
        DefaultDepth           16
    EndSection
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メモリ使用サイズの設定 anchor.png

U/B50はRAMが1024Mbyteしか無い。

1024Mbyte-128Mbyte=896Mbyteなので, /etc/default/grubファイルを編集する。

GRUB_CMDLINE_LINUX="mem=896mb"

と,メモリサイズの指定をしておく。

その後,

# update-grub

で,設定する。


*1 インストール時は3.14が最新バージョン
*2 時期によってはバージョンが違うかも
*3 rufusが手軽に使用できる。

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最終更新: 2023-10-24 (火) 14:35:19 (JST) (187d) by yuji