ROSとは,Robot Operating Systemの略で,ロボット開発のためのフレームワーク・ソフトウェアのことみたい。OSと入っているが一般的なオペレーティングシステムではない。
アメリカのスタンフォード大学の人工知能研究所(AILAB)のプロジェクトに端を発しているらしい。アメリカのロボットベンチャー企業であるWillow Garage社が開発を引き継いで,現在は Open Source Robotics Foundation というNPOが開発・無料公開していて,コアなソフトウェアはオープンソースでBSDライセンスを採用しているものが多い。
世界中の研究機関などで使用されていて,あの Pepper君 にも使われている。おそらくロボット用のフレームワークとしては最も広く使われているんだと思う。
ROSにはいくつかのバージョンがあるが,ここではKineticをubuntu 16.04LTSを入れたRaspberry Pi3Bにインストールしてみる。
Ubuntu用のROS Kineticバイナリパッケージがあるので,パケージマネージャーでインストール出来る。手順は,http://wiki.ros.org/kinetic/Installation/Ubuntu に書かれているようにすればOK。
# sh -c 'echo "deb http://packages.ros.org/ros/ubuntu $(lsb_release -sc) main" > /etc/apt/sources.list.d/ros-latest.list'
認証キーの追加
# apt-key adv --keyserver hkp://ha.pool.sks-keyservers.net:80 --recv-key 421C365BD9FF1F717815A3895523BAEEB01FA116
Pakageリストを更新する。
# apt-get update
があるんで,必要なタイプをインストーする。
パッケージは以下のようにすると個別にインストールできる。
# apt-get install ros-kinetic-PACKAGE
例:
# apt-get install ros-kinetic-slam-gmapping
今回はDesktopをインストールしてみた。
# apt-get install ros-kinetic-desktop
けっこう時間がかかる。
もし,libgles2-mesa-dev,libegl1-mesa-devの依存関係でエラーが出た場合は,
# dpkg -i --force-overwrite /var/cache/apt/archives/libgles2-mesa-dev_17.2.8-0ubuntu0~16.04.1_armhf.deb /var/cache/apt/archives/libegl1-mesa-dev_17.2.8-0ubuntu0~16.04.1_armhf.deb # apt-get -f install
として,対応する。
rosdepは,ソースをコンパイルする時に必要コンポーネントを依存関係を考慮してインストールしてくれるツール。 ROSを使う前に,rosdepを初期化する必要がある。
# rosdep init $ rosdep update
上記でROSパッケージを実行するために必要なものをインストールした。 独自のROSワークスペースを作成して管理するには,いくつかのツールが必要になる。例えば,rosinstallは頻繁に使用されるコマンドラインツールで,ROSパッケージのソースツリーを1つのコマンドで簡単にダウンロードできるようになる。
# apt-get install python-rosinstall
以下は,必要であれば。
# apt-get install python-rosinstall-generator python-wstool build-essential
ROSを実行する時に使用する環境変数を設定しておくために,.bashrcに以下を追加する。
$ echo "source /opt/ros/kinetic/setup.bash" >> ~/.bashrc
読み込んでおく。
$ source ~/.bashrc
$ mkdir -p ~/catkin_ws/src $ cd ~/catkin_ws/ $ catkin_init_workspace $ catkin_make
src,build,develディレクトリが作成され,srcディレクトリにCMakeLists.txtが作成される。
作成したcatkinのワークスペース(catkin_ws)を環境変数ROS_WORKSPACE,ROS_PACKAGE_PATHとして指定しておくと便利。
このため,/opt/ros/kinetic/setup.bashを編集する。
source ~/catkin_ws/devel/setup.bash export ROS_WORKSPACE=~/catkin_ws export ROS_PACKAGE_PATH=~/catkin_ws:$ROS_PACKAGE_PATH
再度,.bashrcをロードし直す。
$ source ~/.bashrc
これで,ROSのインストール終了。
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