Windowsはバージョンによってシステム標準で使われるフォントが変更されて来た。
Windowsのバージョン | システムフォント |
Windows XP | MS UI Gothic |
Windows Vista | メイリオ |
Windows 7 | メイリオ |
Windows 8/8.1 | Meiryo UI |
Window 10 | Yu Gothic UI |
Windows XPではMS UI Gothic,Windows Vista/7ではメイリオ,Windows 8/8.1ではMeiryo UI,Windows 10では遊ゴシック UIが使われている。
なんで,こうもちょこちょこ変更するんでしょうかね・・・
Windowsのシステム標準で使うフォントを,Windows XPのMS UI Gothicに戻したいとか,好みのフォントに変更したいとか,の場合のやり方です。
私はWindows 7やWindows 8/8.1では,メイリオを改造したMeiryoKeフォントを使っていました。Windows 10になって,なんとなくMacで使われているヒラギノに似ているNoto Sans CJK JPをシステムフォントに設定して使用していた。
最近Windows 11になって,MigMix 1Pを使っている。
Windowsのコントロールパネルでの設定やフリーツールなんかを使って変更する方法や,レジストリ情報を編集することで変更出来ます。
Windows 7でいろいろなところに使用されているフォントを変更する場合は,コントロールパネル>個人設定>ウィンドウの色>デザインの詳細設定 で変更出来る。
各「指定する部分」プルダウンメニューのフォントを,好みのフォントに全て変更する。
デフォルトのWindows 7では,全ての場所にメイリオが使われている。
また,ウインドウの各部分の幅・太さなんかも変更出来る。
Windows 8/8.1,10ではコントロールパネルで上記のように細かく設定が出来なくなってしまった。
MeiryoUIも大っきらい!!を使うと,簡単に好きなフォントをWindowsのシステムフォントに設定出来る。
インストールはダウンロードしたzipファイルを任意の場所に解凍する。
このツールを起動して,変更したい場所のフォントとサイズを選んで設定ボタンを押せば変更できる。
また変更したいフォントを選択して「一括設定して終了」を使うと,全部の場所を一発で変更できるのでひじょうに便利。
上記のツールで変更する方法だと,場所によっては変更出来ないところがある。
この場合,レジストリを変更することでそのような場所で表示されるフォントを変更することが出来る。
方法としてはフォントファイルを別のフォントファイルに置き換えて偽装する方法も考えられるが,この方法だと元に戻すのが難しくなってしまうのでちょっとリスクが高い。
そこで,Windowsのフォントリンク機能とフォント代替機能を使って,システムフォントとして使われているフォントを入れ替えることが出来る。
このやり方だとClearTypeを使えないフォントを指定することにより,ClearTypeをキャンセルすることも出来るようになる。
元に戻せるように変更対象のレジストリのバックアップして保存しておく。
> md regbak > cd regbak > reg export "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontLink\SystemLink" HKLM.FontLink.SystemLink.reg > reg export "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontSubstitutes" HKLM.FontSubstitutes.reg > reg export "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\GRE_Initialize" HKLM.GRE_Initialize.reg
Windowsで使われているフォントにフォントリンクを使用したものがある。
フォントリンクはそのフォントに含まれていないグリフがある場合,別のフォントでそれを補完するために使われる。
例えば,tahomaというフォントは,
MSGOTHIC.TTC,MS UI Gothic MINGLIU.TTC,PMingLiU SIMSUN.TTC,SimSun GULIM.TTC,Gulim YUGOTHM.TTC,Yu Gothic UI MSJH.TTC,Microsoft JhengHei UI MSYH.TTC,Microsoft YaHei UI MALGUN.TTF,Malgun Gothic SEGUISYM.TTF,Segoe UI Symbol
というようにフォントリンクが設定されていているので,UTF-8でハングル文字を使う時にtahomaをフォントに指定すると,Gulimフォントがフォントリンクされているのでハングル文字が表示できるわけです。
フォントリンクされているフォントがいくつかの場所でシステムフォントとして使われているので,そのフォントリンクを変更することにより表示を変更することが出来るようになる。
HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\FontLink\SystemLinkで変更してみる。
以下は,メイリオで表示するように変更する場合の例。
Lucida Sans Unicode Microsoft Sans Serif Tahoma
代替えフォントは,そのフォントを別のフォントを使って表示する機能のようだ。
代替フォントの設定は,HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\FontSubstitutesを変更する。
例として,Windows7の場合のメイリオを,Windows XPのようにMSゴシックにしたい場合は,
"Segoe UI"="MS UI Gothic" "Meiryo UI"="MS UI Gothic" "メイリオ"="MS ゴシック"
のように変更する。こうすると,Meiryo UIやSegoe UI,メイリオを使っている所の表示が,実際に表示する際は代替フォントのMSゴシックなどで表示するようになる。
Windows 10の場合,以下のフォントをMeiryo...に変更すると,
"MS Shell Dlg"="MS UI Gothic" -> "MS Shell Dlg"="Meiryo UI,128" "標準ゴシック"="MS ゴシック" -> "標準ゴシック"="Meiryo, 128" "@標準ゴシック"="@MS ゴシック" -> "@標準ゴシック"="@Meiryo, 128" "ゴシック"="MS ゴシック" -> "ゴシック"="Meiryo, 128" "ゴシック"="MS ゴシック" -> "ゴシック"="Meiryo, 128"
メイリオを使うように変更出来る。
またWindows 10で,遊ゴシック関連をWindows8/8.1で使われていたMeiryo UIを代替フォントにする場合は,以下のようにする。
"Yu Gothic"="Meiryo UI" "Yu Gothic Bold"="Meiryo UI Bold" "Yu Gothic Light"="Meiryo UI" "Yu Gothic Medium"="Meiryo UI" "Yu Gothic Regular"="Meiryo UI" "Yu Gothic UI"="Meiryo UI" "Yu Gothic UI Light"="Meiryo UI" "Yu Gothic UI Regular"="Meiryo UI" "Yu Gothic UI Semibold"="Meiryo UI Bold" "Yu Gothic UI Semilight"="Meiryo UI" "游ゴシック"="Meiryo UI" "游ゴシック Bold"="Meiryo UI Bold" "游ゴシック Light"="Meiryo UI" "游ゴシック Medium"="Meiryo UI" "游ゴシック Regular"="Meiryo UI"
GDIは,Windowsで動作するアプリケーションにグラフィック描画機能を提供するシステムで,直線や矩形・円などの図形の描画,フォントの読み込み,ビットマップ画像の表示や保存などの機能がある。
初期のWindowsから搭載されている機能で,Windows XPからはGDI+になっていて機能もいろいろ追加されている。
GDIの初期化フォントを変更する場合は,HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\GRE_Initializeを変更する。
"GUIFont.Facename"="MS UI Gothic" -> "GUIFont.Facename"="Tahoma"
上記でTahomaはメイリオにリンクされているので,この例では結果的にメイリオで表示されるようになる。
好みによってClearType機能(フォントスムージング機能)を使用したり・使用しないように設定する。
また普段めったに使わないフォントは,システムから削除したほうが無駄にメモリーを消費しないのでおすすめ。
ClearTypeはWindows XP以降で搭載している文字を表示する時にアンチエイリアシングを使って表示する機能。
コントロールパネル>ディスプレイ>ClearTypeテキストの調整のマークをチェックするかしないかで,CleaTypeが使うか使わないかの設定が出来る。
また,コンピューターを右クリック>プロパティ>システムの詳細設定>パフォーマンスの設定ボタンをクリックして,視覚効果タブをカスタムにマークして「スクリーンフォントの縁を滑らかにする」をマークする/しないでもOn/Offすることが出来る。
これはフォントスムージング機能であるが,この機能はClearTypeに含まれている機能のようだ。
ClearTypeをOnにした場合,ClearType Tunnerを使用して文字の表示具合を調整をすることが出来る。
フォント*1によってはClearType機能を使うと見にくくなる場合がある。
つまりこの機能は使用しているフォントによって効果が違ってくるので,On/Offしたりして見やすい方にする。
インターネットエクスプローラー(IE)を使っている人は少ないとは思いますが,IEでClearTypeを使わないようにするには,以下のようにする。
IEのツール>インターネットオプションをクリックして,詳細設定タブ>HTMLで「常にClearTypeを使用する」のチェックをオフにする。
Windowsはインストールしているフォントをシステム領域に常にロードするため,多くのフォントがインストールされているとそれだけ多くのメモリを消費してしまう。
このため,メモリ搭載量が多くないPCなんかだとWindowsの動作スピードにかなり影響が出てくる。
そこで,あまり使わないフォントは削除(アンインストール)しておいた方が良い。
フォントを削除するにはコマンドプロンプトを管理者権限で起動して,Windows10で使われている游ゴシックを削除する場合は以下のようにして削除できる。
> cd %windir%\Fonts
游ゴシックフォントファイルの所有者をAdministratorsに変更する。
> takeown /F YuGoth*.ttc /A
游ゴシックフォントファイルにAdministratorsのフルアクセス権を与える。
> icacls YuGoth*.ttc /grant Administrators:F
游ゴシックフォントファイルをフォントとして使えないファイル名に変更する。
> ren YuGoth*.ttc YuGoth*.ttc.back
名前の変更で使用されていますとエラーが出る場合は,実行中のアプリ(エクスプローラ,WEBブラウザなど)を終了させてから実行する必要がある。
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