現: 2023-05-26 (金) 18:19:37 yuji ソース
Line 1: Line 1:
 +* WindowsでMIDI音源を使う [#j62dddca]
 +WindowsマシンでMIDIデータを演奏する場合,通常は演奏するアプリでMIDI出力デバイスをデバイスドライバーの''MIDI Driver''から選択して使用する。~
 +** MIDI Driver [#k05a641c]
 +WindowsでのMIDI Device Driverは,アプリケーションがMIDIデータを演奏する時に使用するデバイスドライバー。~
 +音源モジュールや楽器をMIDIインターフェースを使ってPCと接続すると,用意されているデバイスドライバーをロードし使えるようになる。~
 +
 +このようなSound InterfaceやMIDIインターフェースなどの実際のハードウェア用のデバイスドライバーもあるが,仮想的なMIDIデバイスドライバーっていうのもある。~
 +
 +[[ソフトウェア音源モジュールシンセサイザー>../../SoundFontとGUS Patch#u58eba9a]]はPCのみで音源モジュールとして動作するので,同じPCの演奏アプリケーションと接続するために,この仮想MIDIデバイスドライバーが使われる。~
 +
 +例えば[[TiMidity++>/PC/TiMidity++]]の音源モジュールシンセサイザーTWSYNTHでは,~
 + HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\Current Version\Drivers32
 + HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows NT\Current Version\Drivers32
 +のレジストリーにある,''midi, midi1, midi2, midi3, ...., midi9, midimapper''のどれかが''wdmaud.drv''から''timiditydrv.dll''という仮想MIDI Driverを登録して使っている。~
 +しかし,timiditydrv.dllの仮想MIDIデバイスドライバーはデジタル署名されていないため,Windows 10/11にインストールするのはちょっと面倒である。~
 +
 +Coolsoftの音源モジュールシンセサイザー[[Virtual MIDI Synth>https://coolsoft.altervista.org/en/virtualmidisynth]]をインストールした場合,''VirtualMIDISynth.dll''という仮想MIDI Driverがインストールされる。~
 +この仮想MIDI DriverはWindows 10で必要なデジタル署名されているのでWindows 10/11にはインストールしやすい。~
 +
 +//この時,レジストリに登録されているファイルは,~
 +// midimapper=midimap.dll                  <-- MicrosoftのMIDI Mapper。~
 +// midi=wdmaud.drv
 +// midi1=VirtualMIDISynth.dll              <-- coolsoftのVirtual MIDI SynthのMIDI Driver版。~
 +// midi9=MIDIMapper.dll                    <-- coolsoftのMIDI Mapper。~
 +//のようになっていて,これらのファイルは''C:\Windows\System32''に配置されている。~
 +
 +*** 仮想MIDIケーブル [#y77b6d1c]
 +その音源専用のMIDI Driverが用意されているのが通常だが,仮想MIDIケーブルと呼ばれている特定の音源用の物ではなく汎用の仮想MIDI Driverもある。~
 +
 +[[TiMidity++>/PC/TiMidity++]]の音源モジュールシンセサイザーTWSYNTHでも使える。~
 +
 +仮想MIDIケーブルの代表的なものとしては,
 +- loopMIDI~
 +[[loopMIDI>https://www.tobias-erichsen.de/software/loopmidi.html]]はWindows 10に対応している仮想MIDIケーブル。~
 +ポート数は64個で名前も任意につけられる。~
 +- loopBe1~
 +[[loopBe1>https://www.nerds.de/en/loopbe1.html]]はWindows 10に対応している無料で使用できる仮想MIDIケーブルで,1ポートのみ使用できる。~
 +- Midi York~
 +[[Midi York>http://www.midiox.com/myoke.htm]]は32bit OSのWindows XPやWindows 2000で動作する仮想MIDIケーブル。~
 +Windows 10にインストールするには「互換性のトラブルシューティング」を行う必要がある。苦労してインストールできても64bitアプリからは使用出来ない。~
 +
 +があるが,Windows 10/11では[[loopMIDI>https://www.tobias-erichsen.de/software/loopmidi.html]]を使うのがおすすめ。~
 +
 +この仮想MIDIケーブルを使用すると,音源専用のMIDI Driverが無い音源モジュール(VSTiなど)でもMIDI演奏アプリケーションと接続できる。~
 +この時は,
 + MIDI演奏アプリケーション  ---> 仮想MIDIケーブル  --->  MIDI音源モジュール
 + MIDI出力に仮想MIDIケーブルを  (MIDI Driver)          MIDI入力に仮想MIDIケーブルを
 + 指定する                                              指定する
 +となる。
 +
 +** MIDI Mapper [#v7bbf070]
 +Windows XP以降のWindowsにはソフトウェアMIDI音源である''Microsoft GS Wavetable SW Synth''((あまり良い音ではない。))が搭載されている。~
 +
 +Windowsの標準マルティメディア・プレーヤーであるWindows Media Playerやゲーム等でMIDIデータを演奏する場合,自動的にのMicrosoft GS Wavetable SW Synthが使われる。~
 +この時,MIDI音源を使用する時に「既定のMIDIデバイス」が使われるようになっているが,この「既定のMIDIデバイス」で音源を選択できるようにする機能が''MIDI Mapper''。
 +
 +Windows XPでMicrosoft GS Wavetable SW Synthではない別のMIDI音源などを使用したい場合は,コントロールパネルにある''MIDI Mapper''を使って他のMIDI音源(MIDI Driver)に切り替える事ができた。~
 +
 +Windows Vista/7ではコントロールパネルの''MIDI Mapper''がMicrosoftにより機能を削除されてしまったので,「既定のMIDIデバイス」を他のMIDI音源に切り替えることが出来なくなった。~
 +しかし''Microsoft GS Wavetable SW Synth''と他のMIDI音源を切り替える仕組み自体はまだ残っていて機能するため,レジストリを変更するかWindows Vista/7のコントロールパネルとして動作する''3rd PartyのMIDI Mapper''や''MIDIせれくたー''というツールを使うことでWindows XPと同様に切り替えることが出来た。~
 +
 +その後,Windows 8/8.1以降のWindowsでは,この切り替えの仕組み自体も削除されてしまったようだ。~
 +このためWindows Vista/7のコントロールパネルで動作する3rd PartyのMIDI MapperやMIDIセレクターといったフリーツールを使っても切り替えることが出来なくなり,''Microsoft GS Wavetable SW Synth''のみが音源として使用出来るようになってしまった。~
 +
 +''Microsoft GS Wavetable SW Synth''はあまり良い音ではないので,もう少し良い音にするために''MIDI Mapper''を使っていたのだが・・・~
 +一般的なMIDIデータを演奏するアプリではMIDIデバイスドライバーで出力先を切り替えられるので,あまり問題にはならなかったのかも。~
 +
 +Windows XPのMIDI MapperやVista/7での3rd PartyのMIDI Mapperも,''仮想MIDI Driver''の一つとして実装されているようだ。~
 +
 +*** Windows Vista/7でのMIDI Mapper [#u4fcd78c]
 +- Putzlowitsch's Vista MIDI Mapper Control Panel~
 +[[Putzlowitsch's Vista MIDI Mapper Control Panel>http://sierrahelp.com/Utilities/SoundUtilities/PutzlowitschsVistaMIDI_Mapper.html]]は,Windows Vista/7用のコントロールパネルで動作するMIDI Mapper。~
 +[[バージョン9.3>http://putzlowitsch.de/wp-content/uploads/2009/01/plw-vista-midi-mapper_0_93.zip]]が最終バージョンのようだ。~
 +ダウンロードしたzipファイルを解凍して''C:\Windows\System32''にコピーすれば使えるようになる。~
 +- MIDIせれくたー~
 +[[MIDIせれくたー>http://openmidiproject.osdn.jp/MIDISelector.html]]は,Windows Vista/7で使用できるWindows XPのMIDI Mapperと同様な機能をもつフリーでオープンソースのツール。~
 +[[MIDIせれくたー4.0>https://sourceforge.jp/projects/openmidiproject/downloads/62459/MIDISelector4.0.zip]]が最終バージョン。
 +
 +どちらかを使用するとWindows Vista/7でWindows Media Playerなんかを使う時に,''Microsoft GS Wavetable SW Synth''以外のMIDI Driverを使った音源で演奏することが出来る。~
 +
 +つまり,MIDI音源モジュールシンセサイザーなんかを使えるようになる。~
 +
 +*** Windows 8/8.1以降でのMIDI Mapper [#gcc6ff0d]
 +Windows 8以降では,Windows Vista/7で使えてた3rd PartyのMIDI MapperやMIDIせれくたーは機能しなくなってしまったので,別のMIDI Mapperが開発された。~
 +
 +- Coolsoft MIDI Mapper~
 +[[Coolsoft MIDI Mapper>https://coolsoft.altervista.org/en/midimapper]]は,Windows 8以降で(Windows 10/11でも)動作するMIDI Mapper。~
 +コントロールパネルにもアイコンが登録される。~
 +仮想MIDI Driverと設定ツールで構成されていて,それまでのMIDI Mapperと同等の機能を実現している。~
 +- OmniMIDI~
 +[[OmniMIDI>https://github.com/KeppySoftware/OmniMIDI]]はBASSMIDI Driverから派生して開発されているWindows用MIDI音源ソフトウェア。~
 +Windows 10/11でも動作するMIDI Driver版として実装されている。~
 +またMIDI Mapper機能もサポートされている。~
 +
 +これらのどちらかを使用すると,Windows 8以降(Windows 10/11でも)でWindows Media Playerやゲーム等から他のMIDI Driverを使った音源で演奏することが出来るようになる。~
 +
 +つまり,他のMIDI音源モジュールシンセサイザーなんかを使えるようになる。~
  

  • PC/Windows/WindowsでMIDI音源を使う のバックアップ差分(No. All)
    • 現: 2023-05-26 (金) 18:19:37 yuji

トップ   差分 バックアップ 複製 名前変更 リロード   ページ新規作成 全ページ一覧 単語検索 最新ページの一覧   ヘルプ   最新ページのRSS 1.0 最新ページのRSS 2.0 最新ページのRSS Atom
Counter: 610, today: 1, yesterday: 6