Barcode(バーコード) anchor.png

Barcode(バーコード)は,縞模様状の線の太さによって数値や文字を表す識別子。数字・文字・記号などの情報を一定の規則に従い一次元のコードに変換し,レジスターなどの機械が読み取りやすいデジタル情報として入出力出来るようにしている。
従来のBarcodeは横方向にのみ意味があって,表すデータも数列や文字列でどちらも一次元だが,ドットを縦横に配列し多くの情報を表す2次元コードも普及してきている。
2次元コードの代表的なものに,デンソーウェーブのQRコードがある。

Barcodeをラベルに印刷するプリンターをバーコードラベルプリンターと言っていて,バーコードを読み取る機器をバーコードリーダーとかバーコードスキャナとか言っているようだ。

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Barcode規格 anchor.png

一般的な商品で使われるBarcodeには,日本ではJANコード,ヨーロッパではEANコード,北米がUPCコードが使われている。
物流用途で使われているBarcodeには,ITFコード,CODE39,CODE128,NW-7などが使われている。
また郵便事業などでは,独自のバーコードなどが使われている。

多くのバーコードリーダーは複数の規格が読み取れるように開発・販売されている。

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統一商品コード anchor.png

バーコードを使う用途に統一された商品コードがある。

統一商品コードは,国番号(フラグ):2または3桁,メーカーの番号(メーカーコード):5桁または7桁,品物の番号(アイテムコード):5桁または3桁,間違い防止の番号(チェックデジット):1桁,で規定されていて,全ての商品に異なった番号を付けることになっている。これにより世界的に商品を特定できるシステムになっている。

日本が1978年に国際EAN協会に加盟した際,国番号として49を割り当てられたが,1992年に国際EAN協会から新たに45が付与されて,現在ではこの2つの国コードが利用できる。

日本で使われているJANコードには,標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(8桁)の2種類が存在している。
さらに標準タイプには,最初の7桁がJANメーカーコードとなっているものと,9桁(国番号2桁+メーカーコード7桁)がJANメーカーコードとなっているものに分けられる。
2001年1月以降に申請した事業者には,原則として9桁のメーカーコードが貸与されている。9桁メーカーコード1つで999アイテムまで付番することができる。

JANコードを登録申請するときは,全国の商工会議所,商工会や財団法人流通システム開発センターで販売されている「JAN企業(メーカー)コード利用の手引き」を入手した上で,その巻末の登録申請書を使用して申請を行う。
約10日から2週間後に,JANメーカーコードが付番貸与される。

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インストアコード anchor.png

インストアコードは,商店や団体などが任意に付番できるコードのことであり,ポイントカードなどの会員証や生鮮食品などに利用されている。
当然その商店などでしか通用せず,他店ではそのコードは別の意味を持つようになる。

UPCでは2と4,EAN/JANでは02と04(UPC互換),20~29で始まるコードが利用できる。
UPCの2(日本ではJANコードとして02)で始まるコードは,価格をデータベースから参照せずにコード内に持っているNON-PLU(non-price lookup)であり,特に計量商品などに利用されている。
4(04)で始まるコードは10桁が,20~29で始まるコードは2の次からの11桁が任意に利用できる。20~29は店独自の会員カードの会員番号などで利用されている。

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Barcodeの種類と特徴 anchor.png

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JAN(EAN) anchor.png

JANは,商工会議所に申請して取得する流通用の商品コードを表示するバーコード。13桁または8桁の固定桁のコード。
JANの元になったバーコードがEAN(ヨーロッパの流通用バーコード)で,EANの元になったのがUPC。
バー,スペース(線の並び方)の構成はJANとEANでは同じ。

用途を社内に限定して自社用の番号をつけ「インストアコード」としても利用されている。

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JAN 13 anchor.png

2000年12月以前の登録

jan13.png

JAN-13 国コード2桁+企業コード5桁

2001年1月以後の新規登録

JAN-13-200101.png

JAN-13 国コード2桁+企業コード7桁

  1. 国コード 2桁(日本は「49」または「45」) インストアコード(社内用)では任意の2桁の値
  2. 2000年12月以前の登録は,商品メーカーコード 5桁
    2001年1月以後の新規登録は,商品メーカーコード 7桁
  3. 2000年12月以前の登録は,商品アイテムコード 5桁
    2001年12月以後の新規登録は,商品アイテムコード 3桁
  4. チェックキャラクタ(チェックデジット) 1桁
規格JIS X 0507 : 2004 バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様
ISO/IEC 15420:2009
桁数13桁(13桁目はチェックキャラクタ)
キャラクタ数字のみ(0~9)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
必要。
計算方法はモジュラス10ウェイト3。
モジュール幅標準は0.33mm。
モジュール幅とは,基本となる1本の線の幅です。
寸法の目安幅(横の長さ)は約3.73cm,高さは2.66cm
寸法の変更0.8~2.0倍

注意1:
先頭を0(ゼロ)にしたJANコードは,バーコードの分類としてはJANではなくUPC-A(12桁のコード)になる。
目視文字が13桁(例:001234567895など)あるため,JAN13のように見えるが,構造上はUPC-AのためバーコードリーダーはUPC-Aとして認識される。
社内での利用目的に作成した連番バーコードなどに見られます。

注意2:
13桁目のチェックキャラクタは1~12桁目のキャラクタを計算した上で算出される値のため,任意の数値を割り振ることは出来ない。
インストアコードとしてJANを作成する場合,「チェックデジット」の値を間違うミスがよくあるようなので注意する。
間違ったバーコードは,どのようなバーコードリーダーでも読み取ることは出来ない。

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JAN 8 anchor.png

jan8.png
  1. 国コード 2桁(日本は「49」または「45」) インストアコード(社内用)では任意の2桁の値
  2. 商品メーカーコード 4桁
  3. 商品アイテムコード 1桁
  4. チェックキャラクタ(チェックデジット) 1桁

JAN-8はJANの短縮バージョン。基本的な内容はJAN-13と同様。キャラクタは8桁。

規格JIS X 0507:2004 バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様
ISO/IEC 15420 : 2000
桁数8桁(8桁目はチェックキャラクタ)
キャラクタ数字のみ(0~9)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
必要。
モジュール幅標準は0.33mm。
モジュール幅とは,基本となる1本の線の幅。
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UPC anchor.png

UPCは1973年に米UCC(Uniform Product Code Council Inc.)が開発した共通商品バーコードシンボル。JAN/EANの元にもなったバーコード。

UPC-Aは標準型で,UPC-Eは6桁に縮めた圧縮タイプ。
UPC-AとUPC-Eは,シンボルの右側に2桁または5桁のアドオンシンボルを付加することができる。

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UPC A anchor.png

upca.png

UPC-AはJANの元となったバーコード。
JANは13桁(または8桁)の固定桁だが,UPCは12桁(または8桁)の固定桁となっている。

規格JIS X 0507:2004 バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様
ISO/IEC 15420 : 2000
桁数ナンバーシステムキャラクタ1桁+データ10桁+チェックデジット1桁の12桁
キャラクタ数字のみ(0~9)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
必要。
計算方法は,モジュラス10ウェイト3。
モジュール幅標準は0.33mm。
モジュール幅とは,基本となる1本の線の幅です。

注意:
データ入力するシステムが13桁での入力を必要とする場合がある。その際は,読取りデータの先頭に0がつくようにバーコードリーダーを設定する。

12桁の最初のナンバーシステムキャラクタ1桁は製品の種別を表すもので,0, 6, 7は食品雑貨などのソースマーキング商品,2は肉などの重さが一定でない不定貫商品。
また,3はナショナルドラッグコードと健康関連商品コードに使用され,連邦食品医薬局FDAが付番する4桁または5桁の管理コードである。
4は,ソースマーキングできない一般商品に使用され,5はクーポンに使用されている。

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UPC E anchor.png

upce.png

UPC-EはUPC-Aのメーカーコード5桁・アイテムコード5桁の10桁を6桁に短縮したタイプのバーコード。
ナンバーシステムキャラクタ1桁,データキャラクタ6桁,チェックデジット1桁の8桁で構成されている。

規格JIS X 0507:2004 バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様
ISO/IEC 15420 : 2000
桁数ナンバーシステムキャラクタ1桁+データ6桁+チェックデジット1桁
キャラクタ数字のみ(0~9)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
必要。
モジュール幅標準は0.33mm。
モジュール幅とは,基本となる1本の線の幅。

ナンバーシステムキャラクタの0は自動的に付加され,チェックデジットはシンボルキャラクタ(6桁)のパリティの組み合わせによって算出される。

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Interleaved 2of5(ITF) anchor.png

itf.png

Interleaved 2of5は,米Intermec社が1972年に開発したバーコード。
スペースを利用せずにバーのみの構成であったCode 2 of 5を進化させて,バーによるシンボルキャラクタとスペースによるシンボルキャラクタを交互に組み合わせている。
5本のバーと5本のスペースで2桁の数字を表すため,情報化密度が高い。

Interleaved 2of5は,2値レベルの連続コードでデータの桁数は偶数桁になる。また,桁数に制限は無い。
2値レベルは,バーとスペースのエレメント比が細・太の2種類であることを言っている。構成は,細バー・細スペースおよび太バー・太スペース。
当初,ITF14(14桁)とITF16(16桁)の2種類あったが,GS1にて1988年に14桁のみを国際標準と定めたため,以後16桁は国内用として使用されていたが,2010年にITF16の使用は全面的に禁止されITF14に移行した。

このITF-14を集合包装用商品コードと言っている。物流分野や社内用伝票などに使われている。

バーコードの特性上,桁落ちなどの誤読が発生しやすいと言われている。バーコードリーダー側で,読み取り桁を固定するなどの対策が推奨されている。

規格JIS X 0505:2012 自動認識及びデータ取得技術-バーコードシンボル体系仕様-インタリーブド2オブ5
ISO/IEC 16390 : 2007
桁数制限は無い。ただし偶数桁になる。
キャラクタ数字のみ(0~9)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
任意。
計算方法は,モジュラス10ウェイト3。
最小エレメント幅0.191mm以上を推奨。
最小エレメント幅とは,寸法の基本となる1本の線の幅。

注意:

  • 下記のバーコードは似た名称だが,Interleaved 2of5とは異なるバーコード。
  • Matrix2of5 日本ではほとんど使用されていない。
  • Code2of5(別名でStandard2of5,Discrete2of5,Industrial2of5とも呼ばれている。)日本ではほとんど使用されていない。
  • NEC2of5(別名で生協コード,COOPコード,COOP 2of5とも呼ばれている。)生協がかつて使用した,NECが開発したバーコード。
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ITF-14 anchor.png

itf14.png

ITF-14は,物流ITFなどとも呼ばれるバーコード。
商品を梱包するダンボール箱に良く利用されている。JANの番号(1~12桁目)を使用し,流通の物流梱包箱などに使用することを目的とした規格。

バーコードの構成は,Interleaved 2of5を元に作成されている。そのため,バーコードリーダーはInterleaved 2of5を読み取りできる機種が使用できる。
ただしITFは標準寸法が大きいので,レーザースキャナなどの大きな読み取り幅に対応した機種が必要となる。

以前はITF-16という16桁の拡張バージョンもあったが,現在は廃止されている。(日本でのみ多少使用している)

規格JIS X 0502 - 1994 物流商品コード用バーコードシンボル
桁数14桁。14桁目はチェックキャラクタ。
キャラクタ数字のみ(0~9)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
必要。
計算方法はモジュラス10ウェイト3。ただしJANのチェックキャラクタと異なり1~13桁目を再計算した値となる。
エレメント幅細エレメント幅:1.016mm,太エレメント幅:2.540mm
細太エレメント比率1:2.5
全体の長さ幅:122.428mm,縦:31.8m
ベアラーバーを除くバーコード部。ベアラーバーとはバーコードを囲う黒枠です。
ダンボールに印刷するときにベアラーバーで押さえ,印圧を一定にしてバーのかすれや太りを防ぐために必要とされいる。
寸法の変更1.2~0.25倍 ダンボールに印刷する場合は,0.6倍以上推奨。
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NW-7 (Codabar) anchor.png

nw7.png

Codebar(NW-7)は,米Monarch Marking社が1972年に開発したバーコード。Code 2 of 7と呼ばれることもある。日本ではNW-7の名称で呼ばれている。
1つのキャラクタが7本のエレメントで構成され,細エレメント(Narrow)と太エレメント(Wide)があることが名称の由来となっている。

宅配便の送り状や図書館での図書の貸出管理,郵便書留の追跡管理,衣料品管理,血液の管理,各種の会員カードなんかで良く使用されているバーコード。

規格JIS X 0506:2000 バーコードシンボル-コーダバー (NW-7) -基本仕様
桁数任意。制限はない。
キャラクタ数字(0~9),記号(-,+,$,:,/,.)
記号は通常データキャラクタとして使わない。チェックキャラクタとして使用されることが多い。
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
任意。
スタートキャラクタ・ストップキャラクタ必要。
a,b,c,dのいずれかの組み合わせ。
最小エレメント幅0.191mm以上を推奨。
最小エレメント幅とは,寸法の基本となる1本の線の幅。
細太エレメント比率1:2.2~3.0

注意:

  • チェックキャラクタの計算方法はモジュラス10ウェイト1,2,モジュラス11,加重モジュラス11,モジュラス16,7チェックなど複数あり,どれを使用するかは定まっていない。
  • バーコードを作成する場合,比率は大きいほうが望ましい。
    小さな寸法で細太エレメント比率を1:2.0(1対2)にすると,読み取り率が低くなったり誤読する原因になる。

NW-7の長さの計算式
NW-7の長さは次の式で求められる。。

L={(2N+5)(C+2)+(N-1)(W+2)}X+I(C+1)
L Length of Symbol 長さ
C Charaters キャラクタ数(桁数),チェックキャラクタがある場合はチェックキャラクタも含める。スタート,ストップは含まない。
X X-dimension 細バー(細スペース)の寸法(単位:mm) 0.191mm以上が望ましいとされている。
N Narrow Wide Ratio(wide-to-narrow)  細太比率 細バーに対する太バーの比率。比率は2.2~3.0が望ましいとされている。
I inter-character gap width キャラクタ間ギャップ。(単位:mm)通常は細バーと同じ。
W 幅広キャラクタの数。幅広キャラクタは: /,.,+,およびスタート・ストップのA,B,C,D。

長さの計算例:数字のみ12桁のNW-7の長さは次の通り。条件は細バーが0.254mm,細太比率が1:3,キャラクタ間ギャップが0.254mm,のとき。
長さ={(2x3+5)(12+2)+(3-1)(0+2)}0.254+0.254(12+1)=41.783(mm)
なお,NW-7の左右にクワイエットゾーン(Q,余白)が必要。
クワイエットゾーンは,10Xまたは2.54mmの大きいほうの値。上記例の必要な印刷の横の長さは左側のクワイエットゾーン2.54mm+NW-7の長さ41.783mm+右側のクワイエットゾーン2.54mm=合計46.863mm。
バーコードを作成する場合,余白は計算どおりの寸法よりも大きくして余裕をもたせることを推奨する。余裕がないと実際の運用では印刷位置のずれ,印刷品質,スキャナの読み取り角度など様々な原因のため読み取らない問題がおきやすくなる。
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CODE39 anchor.png

code39.png

1975年に米Intermec社によって開発されて,アメリカ国防省が採用したバーコード。
主に,工業製品の製造番号ラベルやIEIAJの納品伝票,自動車業界などで使用されている。

数字のほかに,英語大文字A~Zや一部の記号を利用出来る。

規格JIS X 0503:2012 自動認識及びデータ取得技術-バーコードシンボル体系仕様-コード39
ISO/IEC 16388 : 2007
桁数任意。制限はない。
キャラクタ数字(0~9),英語大文字(A~Z),記号(-,+,$,/,.,%,スペース)
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
任意。
計算方法はモジュラス43。
スタートキャラクタ・ストップキャラクタ必要。
*(アスタリスク)。
最小エレメント幅0.191mm以上を推奨。
最小エレメント幅とは,寸法の基本となる1本の線の幅です。
細太エレメント比率1:2.2~3.0

注意:
バーコードを作成する場合,比率は大きいほうが望ましい。
小さな寸法で細太エレメント比率を1:2.0(1対2)にすると,読み取り率が低くなったり誤読する原因になる。

CODE39の長さの計算式:
Code39の長さは次の式で求められる。

L=(C+2)(6X+3NX)+I(C+1)

L Length of Symbol 長さ
C Charaters キャラクタ数(桁数),チェックキャラクタがある場合はチェックキャラクタも含める。スタート,ストップは含まない
X X-dimension 細バー(細スペース)の寸法(単位:mm) 0.191mm以上が望ましいとされている。
N Narrow Wide Ratio(wide-to-narrow)  細太比率 細バーに対する太バーの比率。比率は2.2~3.0が望ましいとされている。
I inter-character gap width キャラクタ間ギャップ。(単位:mm)通常は細バーと同じ。

長さの計算例:6桁のCode39の長さは次の通り。条件は細バーが0.254mm、細太比率が1:2.8、キャラクタ間ギャップが0.254mmのとき。
長さ=(16+2){(6×0.254)+(3×2.8×0.254)+0.254(16+1)=70.1548(mm)=約7cm
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CODE128 anchor.png

code128.png

1981年に米Computer Identics Corporation 社によって開発された。
Code128は,数字・英語大文字・英語小文字・記号などを表示できるバーコード。
ASCIIの128文字を全てバーコード化出来るので,Code128と呼ばれている。

他のバーコードに比べて寸法が小さくなる特徴があり信頼性も高いことから,1989年に欧州EAN協会とアメリカコードセンター(UCC,現GS1)によりCODE128をベースにUCC/EAN-128(GS1-128)とし,EANやUPCと共に代表的な標準バーコードとして使用されている。
小型の電子機器のラベルなどによく使用されている。

規格JIS X 0504:2003 バーコードシンボル-コード128-基本仕様
ISO/IEC 15417 : 2000
桁数任意。制限はない。
キャラクタASCIIの全てのキャラクタ。数字(0~9),英語大文字と小文字(A~Z、a~z),記号
チェックキャラクタ
(チェックデジット)
必要。
計算方法はモジュラス103。ただし,バーコードの下の目視確認文字には表示しない。
スタートキャラクタ・ストップキャラクタ必要。
ただし,バーコードの下の目視確認文字には表示しない。
モジュール幅0.191mm以上を推奨。
(モジュール幅とは基本となる1本の線の幅。)

注意:
Code128の1つのキャラクタは11本のモジュールで出来ており,モジュールは1~4本分の幅の組み合わせとなっている。
Code128のパターンは複雑なため,正確に表示するには高精度な印刷が必要となる。

Code128の長さの計算式:
Code128の長さは次の式で求められる。

L=(5.5D+11C+35)X
L Length of Symbol 長さ
D Digits of CodesetC コードセットCの数字キャラクタ数(桁数)
C Characters Dに含まれていないファンクションキャラクタ,シフトキャラクタ,コードキャラクタの数
X X-dimension モジュール幅

長さの計算例:すべてコードセットCでの数字のみで44桁を表すCode128の長さは,1モジュール幅0.191mmのとき次の通り。(ファンクションキャラクタ,シフトキャラクタ,コードキャラクタは無しの場合)

長さ = ((5.5×44)+(11×0)+35) × 0.191 = 52.907(mm)
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GS1-128(旧称UCC/EAN-128) anchor.png

GS1-128-00-96-600.png

GS1は流通コードの管理及び流通標準に関する国際機関。
GS1-128は,Code128を元にしてGS1で規格化されたバーコード規格。以前はUCC/EAN-128と呼ばれていた。
コンビニの代金支払伝票や医療用医薬品・医療機器の物流用ラベルに使用されている。

以下の特徴がある。

  • スタートキャラクタの次にFNC1(Code128のFunction1)がある。
  • アプリケーション識別子AI(Application Identifier)が含まれている。AIは,2桁~4桁の数字キャラクタ。
  • AIは,AIに続くデータフィールドの属性(有効期限・使用期限など)を示している。
  • 各AIの意味・内容はGS1 General Specifications Version 13.1に記載されている。
  • AIは,AIに続くデータフィールドの桁数を定義付けしている。
  • データフィールドの桁数には,固定長と可変長がある。
  • 可変長のデータの終端には,FNC1が付加される。ただし,可変長のデータが「最後のデータ部」となる場合には,FNC1は付加され無い。
  • AIは,バーコードの下部などに括弧( )でくくられて表示されている。括弧( )は,バーコードキャラクタには含まれていない。
  • スタートキャラクタ,チェックデジット,ストップキャラクタ,は目視確認文字としてラベルに表示・記載されない。
  • スタートキャラクタ,チェックデジット,ストップキャラクタ,はデータ出力しない。
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GS1データバー(旧称RSS) anchor.png

GS1databarlimited-00-500.png

GS1 Databarは1996年に国際EAN協会と米国コードセンター(UCC)が共同で開発した小物商品用の流通バーコードで,従来RはSS(Reduced Space Symbology)と呼ばれていたが2007/02に改称された。

GS1(流通コードなどの標準化機構)主導のもと,国際的な流通コード(商品番号)の標準化や追跡管理を目的として普及が進められている。
日本では厚生労働省が医薬品のJANコードに変わる新しいバーコードとして採用し,普及を勧めている。

特徴

  • GS1データバーは,他の1次元バーコードよりも面積が小さくなる。
  • GS1データバーは,バージョンが7種類ある。
  • GTIN(Global Trade Item Number)と呼ばれる国際標準の商品識別コードを表示するために使用する。
  • データの属性を示すAI(アプリケーション識別子)を,データの前に付加する。
    例えば,「(01)14桁の数字」ならAIは01で,01は続く文字が商品コードであることを意味する。AIは,GS1によって定義されている。
規格JIS X 0509:2012 情報技術-自動認識及びデータ取得技術-バーコードシンボル体系仕様-GS1データバー
ISO/IEC24724 : 2011
(GS1 General Specifications Version 13.1)

7種類のGS1データバー

GS1データバー標準型
(GS1 Databar Omnidirectional)
GS1DatabarOmnidirectional-B.png
データキャラクタは数字のみ14桁に固定されている。
GTIN(GrobalTradeItemNumber;国際取引商品コード)として使用される。先頭の括弧部分2桁は梱包インディケータで,0と1の組み合わせで使用される。
全方向スキャナで読み取りやすいよう,一定の高さがある(高さ=33X,X=モジュール幅)
GS1データバー切詰型
(GS1 Databar Truncated)
GS1DatabarTruncated-B.png
標準型の高さを小さくしたもの。全方向スキャナで読まなくてもよい場合や小さな面積への印刷を想定したデザイン。(高さ=13X,X=モジュール幅)
GS1データバー二層型
(GS1 Databar Stacked)
GS1DatabarStacked-B.png
厚生労働省が医療用医薬品のバーコードとして定めたGS1データバーの1つ。
切詰型よりさらに小さな場所に表示できるよう幅を狭めて,積み重ねたように表示したもの。(高さ=13X,X=モジュール幅)
GS1データバー標準二層型
(GS1 Databar Stacked Omnidirectional)
GS1DatabarStackedOmnidirectional-B.png
二層型を全方向スキャナで読みやすいよう一定の高さにしたもの。(高さ=69X,X=モジュール幅)
GS1データバー限定型
(GS1 Databar Limited)
GS1DatabarLimited-B.png
データキャラクタは数字のみ14桁に固定されている。GTIN(GrobalTradeItemNumber;国際取引商品コード)として使用される。先頭の括弧部分2桁は梱包インディケータで,0と1の組み合わせで使用されます。
厚生労働省が医療用医薬品のバーコードとして定めたGS1データバーの1つ。
GS1データバー拡張型
(GS1 Databar Expanded)
GS1DatabarExpanded-B.png
データキャラクタは数字で最大74桁,英字で最大21文字。GS1総合仕様書は,生肉など生鮮食品で利用することを想定している。商品コード,重量,日付 ,価格などを表示する。幅が長いためシングルレーザースキャナで読むことを想定している。
GS1データバー拡張多層型
(GS1 Databar Expanded Stacked)
GS1DatabarExpandedStacked-B.png&r;GS1データバー拡張型を積み重ねたような形状。定置スキャナや2Dスキャナで読むことを想定し,幅があまり長くならないように作成出来る。データ内容は拡張型と同様。
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GS1データバー合成シンボル anchor.png

GS1データバーと2次元バーコードMicroPDFの変形版などと結合させて1つのバーコードシンボルとしたGS1合成シンボル(GS1 Composite Symbol)もある。
GS1データバーが表示する商品コード以外に,使用期限やロット番号などを付加情報として2次元バーコード側に表示する。

合成シンボルの種類は,CC-A,CC-B,CC-Cの3種類がある。GS1データバー各種の合成シンボルは,CC-AとCC-Bがある。日本の医療用医薬品は,GS1データバー限定型合成シンボルCC-A,GS1データバー二層型合成シンボルCC-Aが使用される。

なお,GS1データバー以外にもEAN,UPC,GS1-128との合成シンボルもある。

各種バーコードと合成シンボルの種類の組み合わせ

  • EAN,UPC,GS1データバー:CC-A,CC-B
  • GS1-128:CC-C
GS1データバー限定型合成シンボルCC-AGS1DatabarLimitedCC-A-120.png
GS1データバー限定型に,2次元コードを結合したもの。
GS1データバー二層型合成シンボルCC-AGS1DatabarStackedCC-A-120.png
GS1データバー二層型に,2次元コードを結合したもの。
GS1データバー限定型合成シンボルCC-BGS1-RSS-Limited-CC-B.png
GS1-128合成シンボルCC-CGS1-128CompositeCC-A.png

注意:

  • 合成シンボルの読み取りは,2次元バーコードリーダーが対応する。1次元バーコードリーダーは,2次元コード部分を読み取れない。
  • 白黒を反転(ネガティブ表示)させたGS1データバーは規格外。GS1データバーの規格JISX0509では,次の通り。
    全てのGS1データバーシンボルにおいて,バー及びスペースを反転してはならない。すなわち,バーはであり,スペースはでなければならない。反転したGS1データバーシンボルは,読み誤ることがあるため,リーダは,明及び暗のパターンを反転して復号してはならない。(JISX0509から引用)
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QRコード anchor.png

QRcode.png

1994年にデンソーの開発部門(現在はデンソーウェーブ)が開発して,モジュール(セル)と呼ばれる小さな正方形を集合させた形状で,マトリックス型2次元シンボル。

一般的なバーコードが水平方向にのみ情報を持つのに対し,2次元バーコードは垂直方向にも情報を持つようになっている。

初期のモデル1と改良版のモデル2,MicroQRコードがあって,一般的にはモデル2が利用されることが多い。
QRコードはQuick Responseに由来していて,高速読み取りができるように開発された。

バーコードに比べて小さな面積で多くのデータを表現することが出来る。また,漢字カナ文字をコード化出来る。
当初は,自動車部品工場や配送センターなどでの使用を念頭に開発されたが,現在では主に日本で広く普及している。

規格JIS X 0510:2004 二次元コードシンボル-QRコード-基本仕様
データ容量最大:数字7366桁,英数字4464字,漢字1888字
(バージョンによる。最小は英数字10字など)
キャラクタ数字(0~9),英語大文字と小文字(A~Z、a~z),特殊文字,JIS8ビットキャラクタ(半角カナ),シフトJIS(漢字、かな)
バージョンとモージュール数バージョン1(M1):21x21~バージョン40(M40):177x177
誤り訂正L(7%),M(15%),Q(25%),H(30%)
モジュールサイズ
(セルサイズ)
プリンタドットの3ドット以上で印字する。印字の太り,細りが発生することを考慮して4~5ドット以上で作成することが推奨されている。
周囲の余白モジュール(セル)の4倍以上
構造的連接
(連結機能)
あり。
1つのデータを最大16個のQRに分割して表示することが可能。分割することで,細長い場所(書面の端など)に印字することができる。
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Data Matrix (データマトリックス) anchor.png

Datamatrix.png

1987年に米International Data Matrix社によって開発されたDataMatrix(データマトリックス)は,2次元バーコードの1つ。水平方向と垂直方向に情報を持つ。

モジュール(セル)と呼ばれる小さな正方形を集合させた形状で,マトリックス型2次元シンボルと分類される。
初期のバージョンECC000からECC140までと,改良版のECC200がある。

DataMatrix ECC200は,IS0/IEC16022規格となっており,ECC200が利用されることが一般的。また,ECC200には正方形と長方形がある。

小さいバーコードを実現できるので,電子機器・部品のラベルなどに良く使用されている。

規格ISO/IEC 16022 : 2006 Data Matrix bar code symbology specification
データ容量数字のみで最大3116字,英数字2335字,バイナリ1556字(セル数144x144のとき)
(セル数によってデータ容量が異なる。)
キャラクタASCII,C40,Text,Base256,X12,EDIFACT
セル数(正方形)10x10から144x144の24種類。データが大きくなる場合は,L字型のアライメントで分割して24セル以下とする。セル数は偶数。
セル数(長方形)8x18から16x48の6種類。データが大きくなる場合は,L字型のアライメントで分割して24セル以下とする。セル数は偶数。
誤り訂正ECC200(ECCとはErrorCollectionControlの略称です)。リード・ソロモン符号による誤り訂正。
最小モジュールサイズ
(セルサイズ)
プリンタドットの3ドット以上で印字する。印字の太り,細りが発生することを考慮して4~5ドット以上で作成することが推奨されている。
周囲の余白規定は無い。
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GS1 Data Matrix anchor.png

GS1Datamatrix01-21.png

GS1 DataMatrixは,Datamatrix ECC200を元にした2次元バーコードの1つ。
ISO/IEC 16022:2006で国際標準化されている。

DataMatrixと区別するため,データの先頭はFNC1(Function1)というキャラクタを配置する。FNC1は印字文字ではなく,特別なキャラクタ。
2次元バーコードリーダーは,この先頭にFNC1があることでGS1 Datamatrixと識別する。
ISO/IEC 15424(データキャリア識別子)は,GS1 DatabarのシンボルIDを]d2と定義している。
2次元バーコードリーダーは,GS1 Datamatrixを読み取ると読み取りデータの先頭にシンボルIDの]2dを出力する(出力はリーダーの設定による)。
また,GS1-128やGS1データバーのようにISO/IEC 15418が定義したアプリケーション識別子AI(Application Identifier)を使用し,商品コード,使用期限,シリアルナンバーなどの情報をデータ化している。

海外・国内とも医療関係での利用が進んでいて,日本では医療用鋼製器具(手術用ハサミなど)に直接表示(ダイレクトーパーツマーキング)していることがある。
その他,医療用医薬品の販売包装単位の箱に,表示必須のGS1データバー限定型合成シンボルCC-Aとは別に,企業の社内向けとしてGS1 Datamatrixを表示していることがある。

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PDF417 anchor.png

PDF417.png

PDF417は,2次元バーコードの1つ。水平方向と垂直方向に情報を持つ。
1989年に米シンボルテクノロジー社によって開発された1次元バーコードを縦方向に積み重ねたた形状の2次元バーコードで,スタック型2次元シンボルに分類される。
また,情報量を減らすことで印字面積を減らしたMicroPDFもある。

アメリカで普及している。製品の箱に商品情報を表示するバーコードや,免許証やIDカードなんかに採用されている。

規格JIS X 0508 : 2010
ISO/IEC 15438 : 2006
データ容量数字のみで最大2725字,英数字で1850字,バイナリで1108バイト
キャラクタ数字,英字,ASCII,バイナリ
誤り訂正リード・ソロモン符号による誤り訂正。レベル0~8。
モジュール幅0.191mm以上推奨。
モジュール高さモジュールサイズの3倍以上
クワイエットゾーン
(左右の余白)
スタートコードの前,ストップコードの後にモジュール幅の2倍。

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最終更新: 2024-04-03 (水) 14:59:16 (JST) (30d) by yuji