QRコード anchor.png

QRコードは,デンソーの開発部門(現在はデンソーウェーブ)で開発されたマトリックス型二次元バーコード。特許(第2938338号)を取得*1している。
QRコードという名称はデンソーウェーブの登録商標(第4075066号)のようだ。

QRはQuick Responseに由来していて,高速読み取りが出来るようなバーコードとして開発された。
自動車部品工場や配送センターなどでの使用を念頭に開発されたが,現在ではいろいろな分野で日本に限らず世界的に普及している。

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QRコードの種類 anchor.png

QRコードの種類画像例内容
QRコード
モデル1/モデル2
qrcode.pngモデル1は最初に作られたQRコード。最大バージョンは,14 (73×73セル)で数字1167桁まで扱うことが出来る。

モデル2はモデル1を改良し最大バージョンは40 (177×177セル)で数字7089桁まで扱うことができる。
現在,QRコードと言うと一般的にはモデル2を指す。
マイクロQRコードmicroqr.png最大バージョンはM4(17x17セル)で数字35桁まで扱うことが出来る。
切り出しシンボルが1つで,より小さなスペースへの印字を可能にしたQRコード。
マージン(余白)も2セル分で十分機能する。(QRコードは,最低4セル分のマージンがコードの周りに必要。)
iQRコードiOR.png正方形・長方形の生成が可能で,裏表反転・白黒反転・ドットパターン(ダイレクトパーツマーキング)で印字も可能。理論上の最大バージョンは61(422x422セル)で,約4万桁まで扱うことが出来る。
SQRCsqrc.pngデータの読み取り制限機能を持ったコードです。プライバシー情報や社内情報の管理などに活用できます。
見た目は通常のQRコードと変わらない。
フレームQRframeqr.pngコード内に自由に使えるキャンバス領域を持ったQRコード。
キャンバス部分に文字や画像を入れられるので,販売促進ツールや真贋判定コードとしてなど,様々な用途に利用できる。
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QRコードの用語 anchor.png

最新(2004年11月20日改定)のJIS規格書 (JIS X 0510) の「適合条件」の中では,新規用途またはオープンシステム用途にあっては,QRコードシンボルのモデル1は推奨されないシンボル形式となっている。

なので,QRコードシンボルのモデル2について記述する。

  • モジュール (Module)
    QRコードのシンボルを構成する最小の単位セル。モジュールの大きさは型番により決定され,データの1ビットが1モジュールに相当する。
  • 型番 (Version)
    1から40の番号で表されるシンボルの大きさ。最小は「型番1」の21×21モジュールで,最大は「型番40」の177×177モジュール。

    数字
    バージョンLMQH
    1(21x21)41342717
    2(25x25)77634834
    3(29x29)1271017758
    4(33x33)18714911182
    5(37x31)255202144106
    6(41x41)322255178139
    7(45x45)370293207154
    8(49x49)461365259202
    9(53x53)552432312235
    10(57x57)652513364288
    11(61x61)772604427331
    12(65x65)883691489374
    13(69x69)1022796580427
    14(73x73)1101871621468
    15(77x77)1250991703530
    16(81x81)14081082775602
    17(85x85)15481212876674
    18(89x89)17251346948746
    19(93x93)190315001063813
    20(97x97)206116001159919
    21(101x101)223217081224969
    22(105x105)2409187213581056
    22以降のバージョンは仕様書を参照。

    英数字
    バージョンLMQH
    1(21x21)25201610
    2(25x25)47382920
    3(2929)77614735
    4(33x33)114906750
    5(37x37)1541228764
    6(41x41)19515410884
    7(45x45)22417812593
    8(49x49)279221157122
    9(53x53)335262189143
    10(57x57)395311221174
    11(61x61)468366259200
    12(65x65)535419296227
    13(69x89)619483352259
    14(73x73)667528376283
    15(77x77)758600426321
    16(81x81)854656470365
    17(85x85)938734531408
    18(89x89)1046816574452
    19(93x93)1153909644493
    20(97x97)1249970702557
    21(101x101)13521035742587
    22(105x105)14601134823640
    22以降のバージョンは仕様書を参照。

    バイナリ
    バージョンLMQH
    1(21x21)1714117
    2(25x25)32262014
    3(29x29)53423224
    4(33x33)78624634
    5(37x37)106846044
    6(41x41)1341067458
    7(45x45)1541228664
    8(49x49)19215210884
    9(53x53)23018013098
    10(57x57)271213151119
    11(61x61)321251177137
    12(65x65)367287203155
    13(69x69)425331241177
    14(73x73)458362258194
    15(77x77)520412292220
    16(81x81)586450322250
    17(85x85)644504364280
    18(89x89)718560394310
    19(93x93)792624442338
    20(97x97)858666482382
    21(101x101)929711509403
    22(105x105)1003779565439
    22以降のバージョンは仕様書を参照。

    漢字
    バージョンLMQH
    1(21x21)10874
    2(25x25)2016128
    3(29x29)32262015
    4(33x33)48382821
    5(37x37)65523727
    6(41x41)82654536
    7(45x45)95755339
    8(49x49)118936652
    9(53x53)1411118060
    10(57x57)1671319374
    11(61x61)19815510985
    12(65x65)22617712596
    13(69x69)262204149109
    14(73x73)282223159120
    15(77x77)320254180136
    16(81x81)361277198154
    17(85x85)397310224173
    18(89x89)442345243191
    19(93x93)488384272208
    20(97x97)528410297235
    21(101x101)572438314248
    22(105x105)618480348270
    22以降のバージョンは仕様書を参照。
  • 誤り訂正レベル (Error Correction Level)
    QRコードに汚れなどがあっても正確に読み取れるように,読み取り不能や読み取り間違いのモジュールを修正するために付けられる,誤り訂正語のデータ語に対する割合。下記の4レベルがある。
    • レベルL - コード語の約7%が復元可能
    • レベルM - コード語の約15%が復元可能
    • レベルQ - コード語の約25%が復元可能
    • レベルH - コード語の約30%が復元可能
  • モード (Mode)
    QRコードの中に定義される文字列の表示方法を表す。
    一般的にはよく使われるモードは,数字データモード,英数字データモード,8ビットバイトデータモード,漢字データモードの4つと,その4つを組み合わせた混合モードである。
  • モード指示子 (Mode Indicator)
    次のデータ文字列が,どのモードで符引化されるかを示す4ビットの識別子
  • 文字数指示子 (Character Count Indicator)
    モードの中でデータ文字列の長さを定義するビット列
  • マスクパターン参照子 (Mask Pattern Reference)
    シンボルに適用されるマスク処理パターンのために使用するビットの識別子。
  • マスク処理 (Masking)
    QRコードを読み取り易くするために行う処理。マスク処理パターンは8種類用意されており,その中で最も,明モジュールと暗のモジュール数を均一化し,画像の高速処理の障害となるパターンの発生が抑えられるマスクを採用する。マスク処理は,符号化領域のビットパターンとマスク処理パターンをXOR(排他的論理和)する。
  • コード語 (Code Word)
    実際QRコードで読み取りたいデータが書き込まれたデータ。
  • 誤り訂正語 (Error Correction Word)
    QRコードに汚れなどがあってもデータ語を正確に読み取れるように,読み取り不能や読み取り間違いのモジュールを修正するために余分に付けられるビット。誤り訂正語はデータ語から計算して作成される。
  • 埋め草コード語 (Pad Code Word)
    空のコード語位置を埋める目的で使用するデータを示さない仮のコード語。コード語の数がシンボルの容量に満たない場合に使用される。
  • 埋め草ビット (Padding Bit)
    データビット列の終端パターンの後にある最終コード語の空の位置を埋める目的で使用するデータではないゼロのビット。
  • 残余ビット (Remainder Bit)
    符号化領域が8ビットのシンボル文字で割り切れない場合に,最終シンボル文字の後にあるシンボル符号化領域の空の位置を埋める目的で使用されるデータではないゼロのビット。
  • 残余コード語 (Remainder Code Word)
    データ及び誤り訂正コード語の総数が,シンボルの容量を満たさない場合に,シンボルを完成させるために空のコード語位置を埋めるために使用する埋め草コード語。
  • 終端パターン (Terminator)
    データの終りを表すビット列。データの最後に使用し,0000のビット列になる。
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QRコードの規格化 anchor.png

2004年11月 JIS(日本工業規格)として制定(JIS X0510:2004)

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QRコードの最小サイズ anchor.png

最小のサイズを考えると,現在のプリンタの性能とQRコードリーダの性能から,だいたい1セル0.17mmの印刷事例が最小となる。
このことから,計算上はバージョン1で3.57mmx3.57mmのサイズになる。*2

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MicroQRコード anchor.png

マイクロQRコードは,QRコードよりもさらに小さなスペースへの印字を可能としたQRコード。

11x11セル - 17x17セルのQRコードの小型版。切り出しシンボルは1つのみ。
データ量は,数字の場合5-35桁と従来のバーコードと同程度になるが,同じ桁数で比べて1/10-1/100の面積に印字出来る。

M1バージョンを使って最小印字の場合,1.87mmx1.87mmのサイズが可能になる。(読めるかどうかは,リーダーの性能と距離による。)


*1 特許取得されたQRコードに対しては,特許権の権利行使はしないらしい。
*2 余白なしの場合

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最終更新: 2024-04-03 (水) 16:25:55 (JST) (30d) by yuji