PX-W3U4は地上デジタル放送x2ch・BS/CS放送x2chの計4chのチューナーを搭載したUSB接続のTVチューナーで,PCでテレビ放送を視聴・録画出来るようにするUSB機器。
販売しているPLEXからはWindows用のデバイスドライバーのみ提供されていて,B-CASカードやテレビの視聴・録画アプリケーションは用意されていない*1。
このためPX-W3U4を使ってテレビを見るには,B-CASカードを別途用意して,汎用のテレビ視聴アプリケーションを利用する必要がある。
もしWindowsマシンにVisual C++再頒布可能パッケージ(ランタイムライブラリ)がインストールされていない場合は,インストールしておく。
インストーラーファイルは,Microsoftのダウンロードページの下の方にある「その他のTools、Frameworks、そしてRedistributables」にあるMicrosoft Visual C++ Redistributable for Visual Studio 2022をダウンロードする。
x64とx86版があるが,32bit版のTVTestを使用する場合はx86を,64bit版を使用する場合はx64をダウンロードしてダブルクリックしてインストールする。
PX-W3U4が使用できるように,Windowsマシンへデバイスドライバーをまずインストールする。
通常はPLEX社からリリースされているWindowsデバイスドライバーをインストールすれば良いようだ。
PLEX社のデバイスドライバー以外に非公式なPX-W3U4用のWindowsのデバイスドライバーとして,2021/07にリリースされたWinUSB版px4_drvというデバイスドライバーがある。
これはLinuxマシンでPX-W3U4を使う時に使われるデバイスドライバーpx4_drvを,Windowsマシンで使えるようにしたもの。
PLEX社のデバイスドライバーだとフレームドロップなどの問題が発生したり動作が不安定になることがあるようだが,非公式デバイスドライバーWinUSB版px4_drvではこのような問題が少なくなるようだ。
注意することとしてWinUSB版px4_drvを使う場合,PX-W3U4内蔵のB-CASカードリーダーをサポートしていないため使用できないので,別途ICカードリーダーが必要になる。 またリモコンも使えなくなる。
どちらか好みのデバイスドライバーをインストールすれば良いのだが,ノートPCとPX-W3U4を持ち歩く場合は内蔵カードリーダーが使えるPLEX社のデバイスドライバーを使用した。今では非公式px4_drvを使うようになった。
古いバージョンのデバイスドライバーの場合,Windows10では環境によってはインストール出来ない場合がある。これはデバイスドライバーがメーカーもしくはMicrosoftのデジタル署名がされていないため。
この理由でWindows10にデバイスドライバーがうまくインストール出来ない場合は,署名なしのデバイスドライバーをインストールする方法でインストールするか,デバイスドライバーに自己署名してインストールする必要がある。
PLEX社のPX-W3U4のページから,Windows用のデバイスドライバーでpxw3u4v1.4.zipをダウンロードした。(最新版は202104_PX-W3U4_Driver.zip)
ダウンロードしたzipファイルを任意の場所に解凍しておく。
そして以下のようにデバイスドライバーをインストールした。
pxw3u4v1.4.zipだとDigiBest Technology Co., Ltd.でデジタル署名されているので問題なくインストール出来た。
また最新版の202104_PX-W3U4_Driver.zipはMicrosoftでデジタル署名されているので,こちらも問題なくインストールできると思う。
PLEX社のデバイスドライバーではなく非公式のWinUSB版px4_drvを使用する場合は,こちらのページのようにして,WinUSB版px4_drvデバイスドライバーをインストール出来た。
この非公式px4_drvデバイスドライバーを使用する場合は,テレビ視聴アプリケーションTVTestが使用するBonDriverもpx4_drv用にビルドしたものを使用する。
インストールは上記のページを参照してインストールするか,px4_drvとTVTestをビルドしたものをダウンロードして任意のディレクトリに解凍する。
px4_drvデバイスドライバーと共にTVTestやTVTestが使用するBon_Driverなども入れている(BSチャンネル変更にもその都度対応している)ので,これ以降の各種インストール作業は省ける。
この場合,px4_drv\infディレクトリでinstall_cert.batを管理者権限で実行することで,その後デバイスドライバーをデバイスドライバーの更新を使ってインストール出来るようになる。
TVTestはデジタルTV放送を見るためのアプリケーションで,デジタル放送総合技術研究開発機構からオープンソースで配布されている。
日本のデジタルTV放送は,(有料放送の)番組の映像信号をMULTI2で暗号化(スクランブル)して配信されている。デジタルTV放送を受信する側では,暗号化されたデータをB-CASカードを使って復号化(スクランブル解除)しないと映像として見ることが出来ない。
この復号化する機能(スクランブル解除)は古いバージョンのTVTestには搭載されていたのだが,現在のバージョンでは提供されていない。この理由からTVTestはデジタルTV放送を視聴することは出来ないアプリケーションで,あくまでも研究資料として配布されている。
しかし第三者による追加モジュールを使用することにより,暗号化されたデータを復号化(スクランブル解除)して視聴することも出来るようになる。
このためTVTestを使用するにはソースコードからビルドして,さらにスクランブルを解除するためのCasProcessorプラグインやBonDriverと言われているライブラリなどもビルドして用意する必要がある。
これらのビルド済みファイルを公開している人がいるので,ありがたく ダウンロードしてインストールすることにした。
ここからTVTest-0.10.0-xxxxxx.zipをダウンロードして,任意のディレクトリ(例:C:\WinApl\TV\TVTest)に解凍して(32bit版か64bit版かを好みで選択する)インストールした。
その後は自前でpx4_drvとTVTestをビルドしたものをインストールして使っている。
TVTestは受信したデジタルTV放送をTSファイルに保存(録画)することも出来る。*2
非公式px4_drvデバイスドライバーを使用する場合は,以下のBonDriverを用意する作業は必要ない。
この場合,BonDriverはWinUSB版px4_drvをビルドして作成された物を使用する。
BonDriver*3はTVtestとPX-W3U4のデバイスドライバーとの中間で動作するライブラリ・ソフトウェア。
ここからradi-sh氏のBonDriver_BDA改-2019-02-02.zipをありがたく ダウンロードさせてもらって,zipファイルの中にあるBonDriverを使用する。
この時,TVTestが32bit版を使用する場合はBonDriverも32bit版を使用する。 また,Visual C++ランタイムライブラリをインストール済みなので通常版にする。
TVTestを解凍したディレクトリ(例:C:\WinApl\TV\TVTest)に,BonDriverディレクトリを作成する。
そしてBonDriver_BDA.dllをBonDriverディレクトリ(例:C:\WinApl\TV\TVTest\BonDriver)に以下のファイル名の4個のファイルにコピーする。
BonDriver_PX_W3U4_S0.dll BonDriver_PX_W3U4_S1.dll BonDriver_PX_W3U4_T0.dll BonDriver_PX_W3U4_T1.dll
非公式px4_drvデバイスドライバーを使用する場合は,以下の作業は必要ない。
ここからradi-sh氏のBDASpecial-IT35-2019-02-02a.zipダウンロードする。
非公式px4_drvデバイスドライバーを使用する場合は,以下の作業は必要ない。
4個のチューナー用の設定ファイルを用意する。
BonDriver_PX_x3U4_S.iniをコピーして以下の2つのファイルを作成して,
BonDriver_PX_W3U4_S0.ini BonDriver_PX_W3U4_S1.ini
BonDriverディレクトリ(例:C:\WinApl\TV\TVTest\BonDriver)に置く。
BonDriver_PX_x3U4_T.iniをコピーして以下の2つのファイルを作成して,
BonDriver_PX_W3U4_T0.ini BonDriver_PX_W3U4_T1.ini
BonDriverディレクトリ(例:C:\WinApl\TV\TVTest\BonDriver)に置く。
TVTestで地デジやBS/CSのテレビ放送を視聴するには,DirectShowフィルタ(COMオブジェクト)の映像デコーダのMPEG-2デコーダが必要になる。
Windows7ではデフォルトでMicorsoft DTV-DVD Video DecoderというMPEG-2デコーダがインストールされていたがWindows10ではそれは削除された*4ので,そのままでは再生(デコード)出来ないようだ。
TVTest以外のメディアプレーヤー等でもMPEG-2を再生したいのであればMPEG-2デコーダをインストールする必要があるのだが,既に何らかのDVDプレーヤーなんかがインストールされていてMPEG-2デコーダがインストールされている場合はこの作業は必要ない。
またダウンロードしたビルド済みのTVTest-0.10.0-xxxxxx.zipにはMPEG-2デコーダも含まれているので,TVTestでテレビを視聴するだけであれば,別途MPEG-2デコーダのインストールはかならずしも必須ではない。
まだMPEG-2デコーダがインストールされていない場合,MPEG-2デコーダをインストールする。
以下のフリーで利用できるMPEG-2デコーダのどれか一つをインストールすれば良い。
私は以前から使用しているffdshowをそのまま使っている。
> C:\Windows\SysWOW64\regsvr32.exe TVTestVideoDecoder.ax
> regsvr32 TVTestVideoDecoder.ax
> C:\Windows\SysWOW64\regsvr32.exe /u TVTestVideoDecoder.ax
> regsvr32 /u TVTestVideoDecoder.ax
MPEG-2: libmpeg2 H264/AVC: libavcodec 画質プロパティ: 好きな画質に設定 インターレス解除: マーク(yadifを選択) シャープ化: unsharp maskにマーク(強さ:40) デコーダーオプション/ソフトテレシネ: マーク外す 出力/ストリームの設定: 常にBob,トップフィールドを先に
> C:\Windows\SysWOW64\regsvr32.exe LAVVideo.ax
> regsvr32 LAVVideo.ax
Video Settings/Hardware Acceleration: Hardware Decoder to useをDXVA2(Native)にマーク MPEG-2のマークが入っていることを確認
Video Setting/Software Deinterlacing: YADIF 50p/60pにマーク
> C:\Windows\SysWOW64\regsvr32.exe MPCVideoDec.ax
> regsvr32.exe MPCVideoDec.ax
TVTestやPX-W3U4用のBonDriverなどのインストールが終わったら,以下の準備を行う。
準備ができたら,TVTest.exeをダブルクリックして起動する。
最初は初期設定画面が表示されるので,いくつか設定を行う。
OKボタンを押すとTVTest.iniファイルが作成され,TVTestが起動する。
画面を右クリック>設定で設定画面になるので,さらにいくつか設定をしていく。
その他の項目も必要であれば設定する。
設定のチャンネルスキャンから,地デジ(UHF)やBS/CSのチャンネルスキャンを行う。
地デジの場合はチューナーがTが付くタイプになっているので,チューニング空間に地デジまたはUHFを選択してスキャン開始をクリックすれば良い。
しばらく時間がかかるので完了するまで待つと,チャンネルがスキャンされてチャンネル情報がセットされる。
同様にBSのチャンネルスキャンを行う場合はチューナーがSが付くタイプに変更してから,チューニング空間にBSを選択してスキャン開始する。
同様に必要ならCSのチャンネルスキャンも行う。
チャンネルスキャンが終了後は,チャンネルを選択すればそのチャンネルが見れるようになった。
チャンネルスキャン後,視聴しないチャンネルがある場合は左のマークを外すと,そのチャンネルは省かれる。
TVTestは選択設定した一つのチューナーで視聴・(tsでの)録画する機能しか無い。
2Ch以上で同時視聴・録画する場合は,TVTest自体を複数起動してチャンネルをそれぞれ個別に重ならないようにすることで,同時に視聴したり・録画したり出来る。
PX-W3U4の場合は,地デジ2ch・BS/CS2chのチューナーが実装されているので,その組み合わせの範囲で同時に最大4chまで視聴できる。
TVTestはプラグインで機能を拡張できる。以下は良く使用しているプラグイン。
C:\WinApl\TV\TVTest\TVTest.exe /d BonDriver_Pipe.dll /tvtplay
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それともリネームされたものですか。