Windows10/11にはWindowsの起動時の問題等に対処するためにブート時の詳細オプションという機能がある。 Windows XPでは回復コンソールって呼ばれていた機能。
EaseUS Todo BackupやAOMEI BackupperなどでストレージをクローンしたWindows10/11で,設定>回復>トラブルシューティング>詳細オプションの項目から,システムの復元,イメージでシステムを回復,スタートアップ修復,更新プログラムのアンインストール,コマンドプロンプトの項目が消えてしまって,UEFIファームウェアの設定,スタートアップ設定の2つしか表示されなくなってしまう場合がある。
使っているDell Inspiron14 5415もそのようになってしまった
通常使っている場合には特に問題とはならないが,何かあったときにトラブルシューティングの項目が出てこなかったり,回復ドライブを作成することも出来ないのでは困る。
上記の実際の回復パーティションにある機能自体はストレージに存在しているのだが,回復オプション設定で回復パーテーションがDisableになってしまっていると回復パーテーションが起動できない。
クローン先にサイズが大きいストレージにクローンした場合などで,この問題が起きるようだ。
通常はWindowsのシステムが入っているパーテーションの後ろにあるパーテーションでドライブレターがアサインされていないパーテーションが回復パーティションになっている。
この回復パーテーションにWindows REのイメージ(WinRE.wimファイル)が入っている。
詳細ブートオプションのメニューは,このパーテーションに保存されている機能が表示されるようだ。
回復パーティションの中を覗いてWinRE.wimファイルがあるか確認するのはちょっと面倒なので,とりあえず回復パーティションの場所を決め打ちすることにした。
コマンドプロンプトでdiskpartコマンドを使う。
> diskpart DISKPART> list partition Partition ### Type Size Offset ------------- ------------------ ------- ------- Partition 1 システム 586 MB 1024 KB Partition 2 予約済み 128 MB 587 MB Partition 3 プライマリ 1804 GB 715 MB Partition 4 回復 3867 MB 1805 GB Partition 5 回復 48 GB 1809 GB Partition 6 回復 5598 MB 1857 GB DISKPART> list volume Volume ### Ltr Label Fs Type Size Status Info ---------- --- ----------- ---- ---------- ------- --------- -------- Volume 0 D DVD-ROM 0 B メディアなし Volume 1 C OS NTFS Partition 1804 GB 正常 ブート Volume 2 ESP FAT32 Partition 586 MB 正常 システム Volume 3 WINRETOOLS NTFS Partition 3867 MB 正常 非表示 Volume 4 Image NTFS Partition 48 GB 正常 非表示 Volume 5 DELLSUPPORT NTFS Partition 5598 MB 正常 非表示
Partitin4(Volume 3)にあるWINRETOOLSが回復パーテーションと思われる。
たぶん,Partition5がDELLのOSリカバリ用のイメージで,Partition6がDELLのサポートツールだと思う。
ブート時にF12キーを数回押して起動するブートメニューでSupportAssist OS Recoveryを選択すると,Partition6にあるプログラムが起動しPartion5のOSリカバリ用イメージでリカバリーすることができる。(工場出荷時に戻る)
ちなみにDELLのPCだとDell OS Recovery ToolでOSイメージをダウンロードしてUSBメディア等にUSB回復メディアを作成することができる。
コマンドプロンプトを管理者権限で起動する。以下のコマンドで現在の回復オプションメニューの登録情報を確認する。
> reagentc /info
Windows REの状態がDisable,場所が空欄になっている。
これでは回復パーテーションの機能にアクセスできない。
まず,diskpartを起動する。
> diskpart DISKPART> list volume
パーテーションのリストが表示されるので,回復パーテーションと思われるVolume 3にドライブレターを割り当てる。
DISKPART> select volume 3 DISKPART> assign letter=r: DISKPART> exit
設定したドライブレターは,PCを再起動するまで一時的に有効になっている。
回復パーテーションを回復オプションのメニューに登録します。reagentcコマンドを使います。
> reagentc /setreimage /path r:\Recovery\WindowsRE /target C:\Windows
これがうまく処理できれば,回復パーテーションの位置が合っていたことになる。
失敗した場合は,別のパーテーションを見つけて再度同じ作業をする。
その後,
> reagentc /enable
として,指定したWindows REを有効にする。
有効になったか確認する。
> reagentc /info Windows 回復環境 (Windows RE) およびシステム リセット構成 情報: Windows RE の状態: Enabled Windows RE の場所: \\?\GLOBALROOT\device\harddisk0\partition4\Recovery\WindowsRE ブート構成データ (BCD) ID: 1ac14e86-2789-11ee-85ed-e02be96cffec 回復イメージの場所: 回復イメージ インデックス: 0 カスタム イメージの場所: カスタム イメージ インデックス: 0 REAGENTC.EXE: 操作は成功しました。
Windows REの状態がEnableで,場所が設定されていれば修復出来ている。
後はアサインしたドライブレターを元のように外しておく。
> diskpart DISKPART> select volume 3 DISKPART> remove letter=r: DISKPART> exit
これで詳細ブートオプションで起動すると,いろいろなメニューが表示された
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